第82話 軍資金
父上に申し訳無さそうに、ご苦労と言われて……少し照れる。
「ま、まぁ……それも、もう終わりですよ?それより、彼方の方は進んでいますか?」
「ん?あぁ、順調にな?それに私の片腕宰相には、義弟になるぞ?エルクの片腕にはカミルに据える事が決まった」
「そこまで決まりましたか?」
「あぁ、だがな?まだ難航している……」
「父上、そんなに焦らなくてもいのでは?まだ3ヶ月も、経ってませんし。それに、まだ半年以上時間がありますよ?エルク兄上と、カミル兄さんが居られるのでしたら……問題もなく纏まるでしょうしね?」
「……そうか?」
「ええ。さて、私はこれで……あ!父上これを軍資金ですよ?」
カチャリと、白金貨が入った袋と宝石類我入った袋をテーブルの上に出す。
「ル、ルーク………またお前は…………(どれだけ規格外なのだ?)」
「余り多くはなくて、恥ずかしいのですが……」
「まったく、お前という奴は………。だが………済まぬな、まだ金が居るのは確かだしな!これは有り難く受けとるよ…。(親が、子に助けられて、まったく情けないな?私は……)」
「そこは、お気になさらず。私も好きにさせて、頂いてるのでね?それより……」
「なんだ?言ってみろ?」
「ローズです。……あの妹は、どうされるのですか?」
「ローズか…愛娘なのだがなぁ。……どうにも、好きにさせ過ぎた様だ。調べさせたのだがな…学園でも好き勝手に、振る舞って居たそうだ。全く頭の痛い事だ。(恥をさらしてくれおって…)」
父上、気の毒に………かわいがっていた筈だよなぁ……。
まったく先日、誕生日を盛大の貴族達に祝って貰い、成人したばかりなのに………。
「そうですか……。私の所に来たサクロスですが、妹の身勝手に、随分と振り回されていた様ですね。まったく、差別など下らない事をして情けない。父上、処分は? 私は許しませんよ?」
「ああ………嫁ぎ先を決めたよ。ランドルフ伯爵家に嫁ぐ事になる。以前から打診があったのでな、その申し出を受ける事にしたよ」
………ランドルフ伯爵?聞き覚えがないが……関係は無いか。
「そうですか、そう言えば専属のメイドは?」
「ああ、それは……直ぐに暇を出す。元々子爵家の娘だったからな、あちらで縁談でも有ろうよ」
「分かりました。あ!私は今後ローズとは会いませんので………」
「………ああ、分かった。それも仕方なかろう。(エルクとルークを、手放す事は出来ないからな。今後の事もある、娘はかわいいが。まぁ嫁ぎ先で役に立ってくれれば良いよ。全く厄介な、娘等…蝶よ華よと煽のは良いが……。役に立たねば只の穀潰しか、頭の痛い事だ)」
「それでは、父上。私はこれで」
失礼しますと、言ってセバスと二人で部屋をあとにする。
「セバ!俺はこれから出かける。一人で行くから、お前は、後を頼むぞ?」
「畏まりました。お気をつけ付けて、行ってらっしゃいませ」
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