第45話 フライ

 空だよ?と言って指を空に向けてラインに聞く。


「そ、空?」

「あぁ、空だよ」

「ルーク!言葉、俺年上!」

「あぁ、すみません。で!空」


 指で空をもう一度さす。


「と、飛ぶも何も……んなもん!出来る訳が無いダロが。巫山戯んなよ!人は飛べないんだよ!」


 魔法使えるなら、ある程度飛べる筈だよな?あれ?俺らだけなの………あれ?


「………カミル兄様は?」

「あぁ、知識はありますね。ですが何分魔力が足りません」

「ルー、お前が異常なんだよ?ハハハ」

「エル兄、異常って……まぁ規格外なのは自覚がありますがね?」

「だろ?ハハハ」

「え!ルークお前飛べるの?えぇ~ずりぃ~。俺にも教えろよぉ~」

「ライン?教えるっても?魔力は?」

「えっとぉ~?いくつだったかな?」


 そっと鑑定してみるが……。魔力が110かぁ飛べるのか?


「なら、ちょっと外に出ろ」

「だから、ルーク俺が年上。え!今?」

「覚えたいのだろ?」

「………まぁな?」

「なら庭に出ろ」

「………分かった、俺も男だ!」


 訳が分からない事を言って、ラインが立ち上がる。

 そして二人庭に出る。


「ライン、手貸せ」

「は?手?」

「良いから、両手出せ!」

「わ、分かった」


 おずおずと、両手を俺の前にだしてくるのでラインの手を握る。キモイ!


「で、今から魔力流すから、目を瞑って魔力感じろ!」

「え?なに?え?感じる?」

「良いから早く!目を閉じる!行くぞ」

「お、おう」


 と言って目を閉じたのを見て俺が魔力をラインの身体に流す。


「お……?おおぉ!これか?」

「分かるか?」

「分かる分かる!流れてる!」

「よし!目を開けろ手を離すぞ」

「ルーク、お前スゲェ~!」


 何が凄いのか?が分からんが?


「で、教えるのは。風魔法だ!」

「お、おう」

「風を足の裏から地面に向かって下に流す。それで、足が浮く感じにイメージをする。ゆっくりと下に風を起こす。わかるか?」


 難しいと顔をしかめながら、挑戦するラインをみる。


「ん?んんんん?イメージ?」

「そう、足の裏から風を出すイメージだ」

「んんんん?こうか?」


 すると、少しラインの身体が浮き上がるがバランスが取れずに体勢を崩す。


「おっと、危ねぇ~!意外にバランスが取りずれぇ~?だが今浮いたよな?ルーク」

「あぁ少しな?練習すればこうなるぞ?」


 ラインにこうだと、言ってフライで上に飛び上がる。


「おおぉ!スゲェ~飛んでるよあいつ」


そして下に降りる。


「な?これが『フライ』という魔法だな」

「成る程、フライね!風魔法だけか?」

「俺のオリジナルだからな、多分風魔法だけだよ?」

「多分って!頼りないなお前は。よし少し練習するぞ!」


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