第43話 サクロスノ涙

 兄達4人で離れのリビングのに座り。

 エルク兄上が後ろにいた執事に声を掛ける。

(いつから居たんだ?幻のルイスに会ったぞ。レアだ!)


「ルイス!」

「なんでしょう?」

「ここに皆の分の食事を!」

「畏まりました」


 そして、暫くするとルイスが数人のメイドと共に、リビンに入ってくる。

 その後ろからセバスがサクロスを連れて現れた。


「エルク様、皆様のお食事をお持ち致しました」


そう言って全員の分をテーブルにだす。


「ああ、ありがとうルイス。さぁ皆で食べようか?」

「ええ、食べ損ねましたからね。エルクありがとう」

「ありがとな、エル兄。さて、めし!めしっ!おお、旨そうだ」

「ライン、行儀!」

「ヘーイ」


 と言ったが……気にせずに、がつがつと食べ始める。


 そしてセバスが俺に声を掛ける。


「ルーク様、サクロスを連れて参りました」

「セバ、ありがとう。さて、サクロスと言ったか?」

「は、はい!サクロスと言います」


 緊張してるのは分かるが………。


「硬いな?」

「え?」

「まぁ良い、サクロス。そこに座れよ?お前、ローズの所はもう行かなくて、良いからな!」

「え?」と言って聞き返して来る。


 すると、エルクがそこに座れと、もう一度言ってサクロスを座らせた。


「し、失礼致します。…………あの」

「なんだ?」

「ほ、本当に。行かなくて宜しいのでしょうか?」


 そう言って涙を浮かべるサクロス。

 これは、ローズに相当きつく当たられたな?


「す、すみません。お嬢様の、ご期待に添えず。出来ない事が多くて……………」

「あ~。すまんな?サクロス、始めから俺の所に来させるべきだったな。すまない」

「い、いいえ。おれ……私がなにも出来なくて、孤児院でも…………細かい事が出来なくてぇ~」

「ああ、泣くな!良いから!俺のとこに居ろよ?」

「よ、宜しいのでしょうか?」

「良いよ?ラムセスと一緒に居ろよ?その代わりちゃんと働いて貰うぞ?」

「は、はい。でも良いんですか?ラムセスと居ても?ルーク様のところに?ぅぅう」


 あらら泣き始めたか。


 これは……………よっぽどだったな?

 潰れる前に引っ張れて良かったか?


「さて、サクロス?」

「は、はい。ご主人様」

「ブァハハハ。ご、ご主人だってよ!ルークがご、ご主人?が、柄じゃねぇなぁ?ルーク!」

「ライン………」と言って思い切りラインの後頭部を叩くカミルである。


「い、痛ってぇ~。カミル兄痛い!」


 空気読もうな?ライン!


「お前が失礼だがらだ!それに食事中に煩い!」

「へぇ~い」


 と言ってブスくれるラインである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る