第42話 ローズの嘘

 そのローズの行動を、家族と従兄弟が二人が見逃さなかった。


「あら?要らないですって?ローズそれは何故かしら?お母様に教えてくれない。か・し・ら?」

「ヒィ!お、お母様。こ、怖いですわ」

「ローズ、誤魔化さないで頂戴な?」

「は、はい………ごめんなさい」

「俺やっぱり、お前とは口を聞きたくないなぁ~。ローズ………お前最低!(子供の頃から嫌いだったんだよ。妹と一緒だ)」


 とラインが、ローズを軽蔑したと辛辣に言う。

 なんて恥ずかしい妹なのだろうか?インベルトに、続いてお前もか?ローズマリア。

 すると、エルクが何かピンと来た様でローズを問い質す。


「ローズお前まさか、わざとか!」

「エルお兄様……!」

「お前まさか!男だから、使用人だからと言って、わざときつく当たったな?」

「………な、何の事でしょうか?」


 そう言って、エルクから目を反らす。

 あぁ~当たりか、何処で間違ったのやら?

 まさか妹が差別をする、そんな人間になってたか……。

 最っ低だ!


「ローズ!!お前最低だな見損なったよ。二度と私に話し掛けるなよ?」

「ルー兄様!私!そんなことで」

「そんなことで?」


 俺が聞き返すと母上が更に怒り、顳顬に血管を浮かべて問い質す。


「そんな事って、何かしら?ローズ!」

「だって、男の人は気味が悪くて!しかも獣人ですわ。サクロスが入れたお茶なんて、飲めないですわよ!」


 俺も男だがな?でも、アウトだね。

 これは散々きつく当たって挙げ句に、サクロスを切る予定だったのか?

 ま、そんな所だね。本当に最低だな。


 何処で間違ったのか?学園で女王様気分だったのか?

 父上と母上を見るが共に頭を抱えてるな。

 カミルとラインは、軽蔑の眼差しをローズに送る。

 すると、エルクは顔を反らす。

 そして、俺は席を立つ。


「すみません父上、母上。久しぶりの食事の席でしたが、私はこれで失礼を。何かご用があれば、離れに居りますので、ご連絡をください。エルク兄上は?どうされますか?」

「ああ、私も失礼を。カミル、ライン離れで一緒にどうだ?」


 酒でもと、誘う。


「ええ、そうしょうか。ねっ?ライン」

「ああ飯不味じゃ、食った気もしないしな?」


(セバ!)


 俺が呼ぶとセバスが慌てて食堂に入ってくる。


「離れに行く、セバの食事が済み次第来てくれ(それと、サクロス連れて来い)」

「承知致しました」


 そして兄、従兄弟達と一緒に離れに向かう。


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