第41話 ローズの嘘泣き

 暫くするとローズが、ナタリと自分のメイドのマルレイを伴って食堂に入ってきた。


「お父様?お呼びでしょうか?」

「ああ、ローズ?来たか」

「どうしましたの?」


 と言って回りを見渡すと、ルークが目に入った様で途端に騒ぎ出す。


「まぁ、ルー兄様ですわ。私、幻を視ておりませんわよね?」

「プッ、ルークお前。幻覚か?」

「失礼ですね。ライン!!」


 また、ラインのおちゃらけか……付き合うのも面倒だ。

 それを無視してローズが感極まり、感動しながら俺が居ることを喜ぶが。…………ハッキリ言おう!

 ウザイ!妹でなければ、近寄りたくはない人種である。


「本当にルー兄様ですわ!!お兄様、お久しぶりですわ。お仕事は?終わったのですか?」

「ああ、ローズは元気そうだね?その様子だと。サクロスの事で、困って居たと聞いたが。その様すなら、大丈夫そうだね?」

「サクロス!!ですって!ルーお兄様ぁ~。あれを何とかしてください」


 突然………ローズが、皆が居る前で泣き出した。

 それも嘘泣きと分かるくらいに、わざとらしい泣き方でだ。それでも父上は、心配な様だ。                   完璧に騙されてるぞ?父上大丈夫か?


「ど、どうした?ローズ」


と父上が、ローズを心配して声をかける。


「ああ、お父様ぁ~」


 すると母も父上同様に、ローズを宥め……ずに。きつい一発を投げた。(笑)


「ローズ!泣いてないで。しゃんとしなさい!いつ迄甘えてるのかしら?」


 そのきつい母の声を聞いてローズが泣き止む。


「ご、ごめんなさいませ………おかあさま」

「宜しい!!さぁ、座ってお食事よ?」 

「は、はい…………」

「プッ、ブァッハハハ!」


 とラインが突然笑いだしローズに嫌みを言う。


「ローズ、いつまでガキやってるんだ?いい加減にしろよ?マジ受けるぅ~」


 するとカミル兄が笑うラインを叱る。

 ………此処もかよ。


「ライン、煩いよ?」

「だってカミル兄さん。受けるぅ~」

「ラインの癖に、煩いですわ!」

「あっ!ほら自が出てきた!ルーク前で良いのかなぁ~?ルークにまた、嫌われるぞ?」


 全くラインは意地が悪いなぁ~、だからご令嬢から避けられるんだよ。分からないのか?もう良い年なのだし、気付けよ。お前の方が子供だぞ!苛めっ子。(笑)


 さて、話がずれてるな?軌道修正かな?


「ローズ!」

「なんです?ルー兄様♡」


 おお!目がハートだ!怖い。


「その、サクロスだが。私が引き取るから安心しろ」

「え!ルー兄様がです?」

「ああ。さっきエル兄上から、お前の話を聞たからな。それで父上と話してたんだよ」

「まぁ、そうでしたの?それなら安心ですわぁ~。やはり殿方は、要らないですわ!怖いし、汗臭し汚いのですもの……」


 は!っとして、ローズが自分の口を手で隠した。



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