第40話 あだ名
後ろに付いて歩くセバが、何やらご機嫌が良いようだ。
「ルーク様、お見事でした。私も後で頂くのが楽しみです」
「あれ?セバってエビ好きだったか?」
「ええ、大好物ですよ」
「そっか!なら、食堂直行してもいいぞ?」
「いえ。後で頂きますよ」
「そうか?」
「ええ」
ニッコリとセバスが笑う。よっぽど楽しみになのだろう。
そして、食堂に戻ったら父上に母上と従兄弟がいた。
「兄上、お待たせ……。父上、要らしたのですね?母上に従兄弟殿達までですか。皆さんお揃いで」
「ええですがルーク貴方、エルクと何をこそこそとしていたのかしら?それに、ルークの使用人の寮でも、何かあったのかしら?」
教えて?という母であるが、まぁ食事をしながらして良い話ではないので、後程と先に伸ばした。
「母上、こそこそなんて人聞きの悪い。何もしていませんよ?」
「そうですよ?なにもしていないですが?ローズの執事の事を、少し話しましたがね」
「ああ、あの。切れ切れ君ね?」
「なんです?その変な名前は?ライン?」
「名前じゃ無い、あだ名だ!あいつローズに我が儘言いやがって!」
おぉ?珍しく怒なんだ、でも何故?
「ラインが怒るなんで珍しいね?一体何が?」
そう聞いたら、カミル兄が補足するけれど…。
「ああ。彼は用はチマチマした事が、苦手なんだろね。だから八つ当たりだね完全に」
八つ当たりねぇ……?ラムセスを見る限りだと、想像するのが難しいのだがなぁ……?
「何かよく分かりませんが、それでエルク兄上と話しまして。私の所に引き取る形にしたいのですが?父上宜しいでしょうか?」
「ああ、まぁ良いだろう。ローズを任す執事の、後任を選ぶのに悩むがなぁ………」
「それでしたら、ルークが、言ってたのですが、アレクは如何でしょうか?」
「そうなのか?ルーク」
「ええ、先日の王都の屋敷を引き払う際に、アレクも連れて行きましたが。中々楽しい奴でしたよ?ローズに丁度よいのでは?奴は家に来てから長い様ですし?慣れている者の方が良いのでは?」
「……まぁ、そうなのね。ルークが見たなら、良いのでは無いかしら。ねぇ貴方?」
「そうだな、ルーク。ならそうしてみるか?」
「そう言えば、ローズはどうしました?」
「あら?そう言えばまだですわね?」
「ナタリ、ローズの様子を見てきて頂戴な?」
「畏まりました、奥様」
ナタリにローズの様子を見に行かせた。
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