第36話 大地の力………

 チェスターの子飼いの使用人に、【死ねば良かった】と言われたと、傷付いたふうに言うとその言葉を聞いたエルクが激怒する。


「な、なに!」 


 おっと珍しく怒るのな?オーラが違うぞ?


「ま、まぁ~兄上。もう処理しましたから、押さえてください。ですので私が預かりますよ?丁度明日ラムセスを連れて、里帰りさせる積もりでしたので。一緒に連れて行きますよ」

「何処まで行くのだ?」

「えっと……確か、サルマンと言ってましたね」

「さ、サルマンか……王都には近いが、それでも王都から馬車で2日は掛かるのに、一体いつから……」

「それは、分かりませんが。私の下に潜り混せて、私を嵌めたかったのでしょうね?インベルトって奴は!碌でもないグズでしたね。まぁ、後でロイドの部屋を修理した時にでも、部屋を改めますよ。もしかしたらインベルトとの、やり取りの証拠が見つかるかもしれませんね?」

「そうしてくれ。あと、王都で何か動きがあるようだぞ?それも潰せるか?」


 それなら、父上の影と連絡を取るかな?後で父上に了解を貰おうか?


「多分、出来ますよ。なら王族もそうですが。私達の領地以外から、少しだけ力を貰いますかね?」

「というと?」

「兄上、地図ありますか?」

「ああ、ちょっと待て……」


 と言って本棚に地図を取りに行き地図を探す。


「ああ、これだな」


 そう言って確認をしテーブルに地図を広げる。


「それで、どうするのだ?」

「まあ、ちょっと見てくださいよ。ここが私達の領地ですよね?」


 地図を指して、指で円を書く。


「ああ、そうだな」

「そして、私たちの領地以外がすべてこの国、サンドール国の領地です」

「それがどうかしたのか?」

「ですからね?私の力でこのサンドール国の大地の力を、頂くんですよ魔法でね」ニコリ!

「……それなら、足が付く事もなくだな……」

「ええ、誰が考えますか?私以外に!兄上」

「しかしそんな魔法、あったのか?」


 不思議そうな顔をしてルークをじと目で睨む。


「え!ええ、まぁ古い文献に載ってたのをアレンジしまして」(汗)


 やべ、調子に乗った……。気を付けないと。


「ほ~う?文献ね?ま良い頼むぞ、それは一気にやるなよ?」

「ええ、分かってますよ?

明日、ラムセスをサルマンの町に行く予定です。そのついでに王都のギルドに、寄ってきますので。その周辺から少しと、後はまぁ追々ですかね?」


 王都と国の全部を、平行して力を削ぎ国王一家には猛反省して貰おう。

 もしかしたら、ラムセス達の孤児院は家の領土に引っ越しかな?


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