第35話 兄上に報告と用件の確認

 屋敷に戻り、全員にクリーンとキュアを掛ける。

 そして、ケルバンを寮に戻らせるがその際に再度伝える。


「ケルバン……お前は、謹慎続行!」


 と言うと項垂れて部屋に戻って行った。(笑)


「セバ、このまま。兄上の部屋に直行する。付いてこい」

「畏まりました」


 そして、兄上の部屋の前に立つとセバスがノックをする。


「失礼致します、エルク様。ルークがいらっしゃいました」


 すると中からエルクが部屋に入る許可をだす。


「ああ、入ってくれ」

「失礼、兄上。先程ご用があると仰ってましたが、何か御用でしたか。私もお願いがあったので丁度良いとは思いましたが?」

「ルーの用事、それは……珍しいな?」

「はぁ?そうですか?」

「(自覚なしか)……まぁ、良いよ。で、私に何を?」

「その前に兄上のご用は?」


 なんでしょうか?と先に聞く事にする。


「ああ、たいした事では無いのだが。ローズに付けた新人の執事見習い。……あれは、駄目だそうだよ」

「そうなのですか、何故?」


 やっぱり、使えなかったか。

 獣人で、しかも孤児だしな差別する訳ではないのだが。よっぽど根気よく教え込まないと、執事なんて無理だろう。


「ああ、ローズが言うには、気が短すぎる。

と言う事らしい。試しにメイドが茶の入れ方を、懇切丁寧に教えたそうだが。覚えられなく癇癪を起こし、悪態を付くらしいぞ?まぁ……他にも色々あるらしくてな、暇を出す訳にも行かないらしく。ローズが困って相談をしてきたよ」


「まぁ。獣人にも向き不向きが、有るでしょうしね」

「ああ。それで、お前の所に預けた獣人はどうだ」

「どう、と言われても……。まぁ、普通ですかね?あの二人は孤児だったそうですよ?」

「ほぅ………?」 

「マルスが、孤児院で拾ったらしいですが。私の預かった獣人、ラムセスと言いますが。何も企んではなさそうなので、そのまま冒険者登録をさせました」

「ふぅ~。そうか……ならどうするかな?私が預かっても良いがな……」

「まぁ兄上が預かると言うなら、何も言いませんよ?」

「ん~悩むよ、私の小隊は少ないから人数を増やしても良いのだが、なにぶん回せなくてな」

「兄上の小隊は今何人居ましたか?」

「今は……10人だな」


 まぁ、兄上の所は大所帯になるのは今はまだ困るのだろう。


「あぁ、人を増やしたら半端に成りますね……?」

「そうなのだよ」

「それでしたら、私が預かりますよ」

「それが良いのか……」 


(また、ルークに負担を掛ける事に成るのか。まぁ、相談した時点でこうなる事は、分かって居たのだが………)


「ええ、構いませんよ?何せ一人減りましたからね」

「ああ、それな。……あれは何だったのだ?」

「あれはチェスターの、子飼いでしたよ」

「はあ?あいつがか!!だからルーの予定が狂ったのか?」

「それは分かり兼ねますがね?どうやら私の隊を分裂させたかったのでは。後まぁ、インベルトが私の殺害予定でも立ててた?なんて、感じでしょうか?」


 本人も何も話さなかったから分からんがな?


「先程の男に、お前などチェスターに殺されて!と、言われましたからね。私は傷つきましたよ」


 と何気にしおらしく言ってみた。


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