第34話 置き去り

 俺はロイドを王都の屋敷に、ぶち込むために。

 この屋敷の転移の間に戻ってきたが……。

 転移の間から出た途端に、異臭が鼻に付いた。

 そして、直ぐ様結界を解除して風魔法エアフローで、風を起こして臭いを拡散させた。


(恐らく。……いや、絶対にチェスター。もといインベルトの…だろう。……うっ、想像しただけで。キモイ!)


 はぁ~スッゲー臭いだった……。

 連れてきた奴らも顔色が悪い。すまんなアハハ。直ぐに浄化魔法の、エアキュアで臭いを浄化ししてやるから。

(オリジナル魔法だからネーミング突っ込むなよ?)


でも……人、一人でもここまでスゲーんだな?なんて感心する。


「さて、ロイド!お前はここで暮らせば良いぞ?お前の親愛する?確か……、チェスターだったか。それが、まだ居るかも知れん!じゃぁな。セバ、ケルバンそれに、お前達も直ぐに外に出るぞ」

「承知致しました。流石にここは、長くは居たくはありませんので」


 ハンカチで鼻と口元を押さえて言うセバス。

 セバすまん!


「本当ですねぇ?ここに居たい。なんて、俺は気が知れませんよ!」

「ああ、全くだ。皆、外に出るぞ!じゃあな。ロイド」

「な、あ!そういえば。マルスはどうした!」


 こいつ未だ、俺にこんな口を利くのか!


「はぁ~お前、マルスにも合いたいのか。あいつなら、使用人の寮にぶち込んであるから、行けばいい。合えるぞ?まだ生きてれば良いなぁ?ハハハ」


 と言って寮の結界も解いてやる。


「じゃあな、ロイド。チェスターに宜しくな。おい!外に出るぞ」

「じゃぁなぁ~ロイド。がんばれ!せいぜい長生きしろよ。ばぁ~か」


 ケルバンがロイドを煽ってる。

 やめてやれよ、気の毒だぞ?これから水の一滴も出ない場所で、飢え死にするんだからな。ハハハ。



 ルークはロイドを置き去りにして、外に出ようとしたがロイドが後を追い掛けて来る。

 それが、鬱陶しかったので足止めをしてまた結界を張る。


「ま、待って下さい私が、悪かったです!こんな場所に、置き去りにしないで………」


 ロイドがなにか叫んで居るが、知ったことではないので放っておく。

 屋敷に戻る際に、今回は屋敷を老朽化させて結界内に臭いが籠らないように、数ヶ所の空気穴を開けてから屋敷の全体に結界を張り、転移で領地に全員で戻った。


「うへぇ~!キモかった」


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