第13話 何枚ある?

「さて、話は終ったかしら?」

「あぁ、大丈夫だ」

「なら奥にどうぞ?」


 と言われて、奥にある倉庫にビクトリアと一緒に中に入る。


「はい!ここに売れるものを、出してくれるかしら?」


 この大きな作業台に出してと、ビクトリアに言われる。


「了解!なら………」


 作業台の上に魔物を次々に出していく。

 出したのはオーク、ウルフはもちろん少し前に狩り倒した魔物も一緒にどさくさに紛れて出す事に……。

 出したのは、ボアにサイクロプス、レッドベア、ワイバーン、グレイトスネーク。

 後は……シルバーベアに、おまけのゴブの耳を一気に出す。


「ち、ちょっとま、まってよぉ~多いわよ!ウルフだけでも何頭居るのよ?!待って、待っててよ?解体屋のサム呼んでくるから」


 ビクトリアさんの手に余るらしく、人を呼んでくるからと言って消えていった。

 おそらくこの調子だと、ギルマスも顔を出すと思うぞ。

 そう思って、ビクトリア達を待つと案の定ギルマスと解体屋のサムの三人で戻ってきた。


「ルーク!ドラゴンに、逃げられたって?」

「ギルマス、そうなんですよ、巣穴見つけて行ったらもぬけの殻でしたよ。ですがゴブの村を見付けたので、潰してきましたよ?あとは、オークもかなりの数だったので狩って来ました。お蔭でこの数ですよ………」


 ギルマスが台の上と、台に乗りきらない魔物の山を見る。


「ルーク、お前どれだけ魔物を溜めてやがるんだ!何でワイバーンとか、グレイトスネークなんて要るんだよ!!それに、シルバーベアだと!」


 あ!やっぱ不味かったか?


「ええ~これから少し入り用になるので、懐を温かくしておこうかと思ってね?」

「なんだそれ?」

「えっと………パーティーメンバーが、更に二人増えたからな。課金が多いと多く渡せるだろ?それにほら、ドラゴンの鱗!ギルマス何枚いる?」


 鞄から大きな鱗を、一枚取り出してギルマスに見せと、食い気味に顔を近づけ聞いてくる。


「「ドラコンの鱗!何枚ある?」」


 か、顔が近いよ!怖いよ二人とも。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る