第8話 ドラゴン……テイムしちゃったよ

「聞きたい事は、それだけか。ならば人間よ、もう帰れ。ここには二度と来るな!」

「そうだ来るなぁ!!!グルルル………」


 ん~、威嚇されてもなぁ~。人里に下りてこなければ良いだけなんだけど?


「なら、お前らも人里に下りてくるなよ?邪魔だよ」

「なんだと!人間、貴様!我らを邪魔だと?」

「だってそうだろ?お前らが俺を邪魔だと言うなら、俺達人間だって。突然お前達が、現れたら邪魔だよ」

「…………そうなのか?」

「そうだぞ、分かるだろ?ドラゴンって頭が良いのだろ?」


 ここは煽てて説得してみるか?


「ワハハ。おい人間お前面白い。気に入ったぞ!それにお前、良い匂いがする。何を持ってる?」

「何も持ってないぞ?」

「嘘を付くな?人間!」


 良い匂いって、言われてもなぁイベントリィの中には色々入ってるが、まさかそこから匂う?まさかな?

……だけどもしそうなら。

なら試しにサンドウィッチを出して見せる。


「此か?」


 ドラゴンの大きな顔が、近寄り豆粒のようなサンドウィッチの匂いを嗅ぐ。


「クンクン。そうだ!此だ。人間これは何だ?」

「え?これは食べ物だよ。お前達、これ食べたいのか?だが……こんな小さな物じゃ、幾つ有っても足りないだろ?」

「成らば我らと契約しろ!お前従魔術使えるか?」


 は?契約だと………強引だなおい!


「使えるが良いのか?」


 まさか、ドラゴンが従魔になる?これ……ヤバイな。


「良いぞ我はな?もう一つの方は知らぬがな?」

「それは無いぞ……もう一つ?冷たかろう」

「お前ら名はないのか?」

「「……無い」」

「成らば良いのか?」

「「良いぞ」仕方ない」

「そうか?ならばお前が、ウオル、そしてお前がオルタだ」


 すると二頭のドラゴンの体が光る。

 どうやらドラゴンと契約が出来たようだ。


「お前が、今日から我らの主だ。頼んだぞ?」

「まぁ良いけど、俺はルークと言う宜しくな?で、お前ら人に化けろ!出来るだろ?」

「人だと?まぁ……お主の魔力があれば、出来ぬ事もないな?」

「なら化けろ!サンドウィッチ出すから!」

「なぬ、それを早く言え!馬鹿者!」


 すると、ウオルの身体が小さくなり人形になる。

 ウオルの容姿は、赤い髪にすらりとした手足で、見た目がえらく良い。年齢は25才前後と言ったところか?


 そして、オルタも人形に変化していく。

 オルタもやたらと容姿が良いな……。

 金髪に少し浅黒い肌で、ウオル同様手足が長く見目が良い。

 こちらも年齢は25才前後に見える。


「さぁ化けたぞ、早くあれを出せ。主よ!」

「ま、待て今出すから。それと、お前らこれを着ろ」


 と、二着分の服を一式出して渡す。

 そして、服を着させてからサンドウィッチを二人に5皿分づつ出してやった。その隙に俺はラムセスを呼びに行く。

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