第6話 チェスターの悪意 3
エルク兄上が指をさす方を見ると、チェスターだった。
「そうだ。お前はインベルト・ランドリアと言う名だ。お前が赤子頃にマクゥエル家に、引き取ったんだ」
「そうよ!だから貴方は、マクウェル家の血は引いて無いわ」
あらら新事実だ!俺は知らなかったよ。(笑)
どうするのかねぇ?
そのランドリア家って未だあるのか?
あ在るなら戻って貰いたい、毎回会うたびに隠れて怪我させられるので痛いんだよ!
「そ、そんな馬鹿な……なら、成らば。私が今までしたことは……私の地位は……」
……と、言ったままソファに深く座り項垂れて黙る。
チェスターが項垂れたのを、横目で父が見たが。それに、構わず話を続けた。
「今までマクウェル家の、長男として育てたが。悪知恵ばかり覚えて。肝心な物は何も得なかったのだな?人に対して、考慮が有れば考えたがな?」
全く無駄だった、やはり間違いだった。と父が呟いた。
「力だけは強いと。エルク、ルークにも、お前は勝ったつもりで、いたのだろうがな?力だけで領主などと、笑わせる。そんなことは、無理な話だ。甘いよ考えが。全くあの時引き取る事等など、しなければ良かったよ!私の可愛い子供に何をしてくれたのだ!」
父上、とどめ刺すなぁ(笑)だが不味いな。
チェスター?怒りで、何をするか分からんよ?まぁ魔法は余り使えない筈だから、力でごり押しぐらいかな?
(メッセージ。セバ、マルスは捕らえたか?)
(はい、先程のチェスター様の、騒ぎの時に捕らえて、幽閉して居ります)
(分かった……そのまま待機しててくれ)
(承知致しました)
「お父様?それでしたら。そのランドリア家にチェスター?インベルトさんを、お返したらどうですの?マクウェル家には要らないのでしょう?」
辛らつローズだ、ウザ!
「ローズ、私もそうしたいさ。だがな……」
「……どうしたのです?」
「ローズ。ランドリア家等……当の昔に、一族共々もう居ないのだよ……」
「まぁ!それは……何故ですの?」
……無邪気に怖ぇーこの子!流石母の血が入っている、多少残念ではあるが……(笑)
「先代の国王陛下に、処分されたのよ」
「まぁ……そうだ。赤子だったお前が哀れで引き取ったのだ。そして名を変えた。あの頃は私達にはまだ、子供が居なかったからな。お前は可愛かったよ」
「そうよ?良く泣いたわね?だけれど、エルクまでは良かったのよねぇ~性格が。ルークが産まれた頃からかしら?変わったのは。何故なのか、聞きたいわねぇ?チェスターいえ、インベルト!」
「そ、それは。憎らしかったからです。私を可愛がって居てくれたのは、エルクが生まれる迄でした。だからルーク、ローズと生まれて憎らしかった、特にルークは特別扱いで……。私がいる場所が無くなると、焦ったのです。しかし、私の居場所は初めからこの家には、無かったのですね?」
フッざけんなよ!こっちは色々痛かったのだ。
マジで先日は死ぬかと思ったしな……。
「だから嫌がらせをですか?全く嘘も、塩らしい態度も大概にして下さいよ。インベルトさんマルスを使って、何をする積もりでしたか?マルスは、先程捕らえて牢へぶちこみましたが?」ニヤリ。
その言葉を聞いたインベルトは、鬼の形相で俺を睨み付ける。
「ルーク!お前はーー!!」
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