第4話 チェスターの悪意 1

 とうとうチェスターの態度に、父上が耐え兼ねて激怒する。


「チェスター!」

「何ですか、父上?」

「今までの、話しは聞いていたか?」

「は?何ですか?全く聞いて居りませんが?」 


 馬鹿にも程がある。

 その惚け方では何か企んで居るのが、バレバレで誰が見ても分かるくらい、わざとらしい態度だ。

 だが、元があれでは仕方がないのか?


「ては、チェスターよ、なにを考えていた?」

「え?特になにも?」

「父上、兄上は少し酔っているのでは?」

「エルク、それは?何でかしら。酔っている風には見えないわよ?」

「あぁ、母上それがですね。お客様をお送りする前にこの……」

「エルク!それ以上は駄目だ!言うなよ」

「え?では酔って居ないのに、今までの従兄弟との話を、聞いて居なかったのは何故だ?」


 すると、わかった白状するとチェスターが本性を出し始めた。

 やはり、今までのお惚けは芝居だった様だ。


「いや、すまん。ちゃんと聞いて居たよ」


 全く惚けやがって!


「何故、嘘をつくのです?これは大事な話ですよ?お巫山戯も大概にしてして頂きたい」

「私は独立が、反対だからだよ。エルク」

「チェスター独立に反対だと?」

「それは何故?かしらチェスター!」


 全く分かってないですねと?チェスターは言う。


「はぁ、私の立場は比較的楽なポジションに居るからな。私は陛下の国政には、反対はしていない。それにマクウェル家は、私が後継者だ。だったら、私はそんな危ない橋は渡れだろ。ククク」


 不気味に笑う。その笑い方がキモ!

 何だか偉そうに笑うが……。哀れである。


「それは、誰が決めたのかしらね?チェスター」


 ハハハ、母上が怒です。

 化けの皮剥がれたと思ったら、お家騒動だなこれは……。


「チェスター?」

「なんだルーク。兄に向かって呼び捨て?なんて生意気なんだ!お前は!!」

「フン!なまきい、上等!あんたは私が邪魔ですね?」

「はぁ~だから、聡い子は嫌いだよ。昔から大嫌いだ!死ねよ!」


 死ね迄言っちゃったよこの人馬鹿だなぁ~。


「やはりそうでしたか。幼少の頃から怪しいとは、思ってましたが………。屋敷に戻ってきた時も、随分と早い登場でしたしね。私に抱き付き怪我?をさせて。事故で片付ける積もりでしたね?先程の抱き付きもそうでしたが……。私を絞め殺すつもりでしたね?だからマルスが、貴方の側に居なかったのですね?」

「全く、素直に冒険者だけを、やっていれば良いものをお前は……!」

「俺は冒険者だが?なんなら家を出るつもりでいたが?聡いガキと言うが、あんたはとんだ狸だった訳だ。だがな家族……、ここにいる者は、全員一致でエルク兄上が、次期当主と認めてるんだよ?あんたは後を継げない。それは、分からなかった、みたいだけれどな?ハハハ。間抜け!ば~か!」


 ムカつくし面倒なので、口調を変えて話すことにするぞ糞が!


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