第四章 

第1話 母からのプレゼント

 執事のアレクとエントランスで別れ、フォルクスを探す。

 まぁ、どのみち向かう所に居るだろうと無闇に探すのは止めて、サロンに向かう事にした。


 どうせ貴賓室に、全員が居るのだろうと考え部屋に向かうと、案の定全員が雁首揃えてソファーに座り、和やかにお茶飲んでたよ!!

 それを見た俺の脱力感が………拭えない。


…………解せぬ!


「皆様お揃いで………したか……?」


 お、ローズ……お前居たんだな?さっき……部屋に戻ると言ってなかったか?着替えはしてきたんだな。ま、どうでも良いがね?所詮お嬢様の気紛れだ。


「おお、ルーク戻ったか!ご苦労だったな。ここに来て座って茶でも飲め!」

「はぁ、ありがとうございます。ですが、私は着替えて来ますよ?この格好は些か窮屈で……」


 すると冷たい冷気が何処からか流れてきた。

 ん、何処からだ……?

 冷気をたどると母から冷気が漏れていた。(汗)


「あら、ルーク私の見立てた服が!窮屈ですって?ここに来てお座りなさいな。ね?ね?」ニコリ。


 こ、怖い地雷踏んだ………。

 仕方がなぁ~と、渋々母の隣に座る。

 周りに座る家族や従兄弟の全顔を見れば、顔を俺から逸らしてる。

 まぁそんなもんだな……母には逆らえない。


「は、母上。いえ窮屈等で、ではなく………」

「じゃあ……何なのかしら?ねぇ、ルーク。それに、私が渡していたお飾りは?」


 やべーマジ怒じゃんか!!えっとお飾り……あぁ!あれね………。


「母上、お飾りならここにありますよ、ほら」


 掌に母から借りたブローチを出す。


「はぁ、そう言う事ではなくてよ?」

「あぁ、使わない。ですか?いえ、これだと揃いのカフスが無かったので………」


 袖元に止まった、カフスをトントンと指さす。

 母がルークの指さす袖を見る……。


「揃い?カフス………!あ、あらあら、私とした事がごめんなさいね。ルーク、それでそのお飾りなのね」ニコリ


 どうやら、ご機嫌が直ったかな?


「えぇ、ですから、お返ししたかったのですが……。今お渡ししてしまうと、無くしそうですね?後程お返し致しますね?」


メイドに渡すにも下げられて、居て渡せない。


「あら?それはルークへの、プレゼントのつもりだったのよ。その着ている衣装と一緒にね?だけれど……揃って無いなら。衣装だけの、プレゼントになってしまったわね………」

「そ、そうでしたか?母上有り難う御座います。でしたら、このブローチは頂きますね」

「そう?ならば後で、揃いの物を用意するわね?」

「はい、有り難う御座います」


良かった機嫌が直ったみたいだ……。

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