閑話 ワイルドウルフ パーティーside 3-4

 こんな所で、叫んでる場合じゃ無い。

 そうだこれは夢で、もう一度トレシュを触ったら気味が悪いと言って、怒って嫌がるはずだ。


「おい!トレシュ起きろ。カルエも、こんなに何処に居ても仕方ねぇー外に出るぞ。ほら起きて行くぞ!」


 起きろと二人を、動かそうとするが。

 ……もう二人共死んでいて動かない。


「どうして……」


 オースが呆然として、力が抜けたのか?

 カルエの側で膝から崩れ落ちた。


「どうしたんだ!何なんだよこのダンジョンはよ!○○○様何故こんな場所を俺に!俺達に、依頼したんだよー」


 叫んで暫くそのままでいると、何処からかカサカサと、小さな音がするのが分かった。


「なんだ?音が……する?」


 すると、カルエの首筋辺りから、虫が這い出て来るのが見えた。


(ヒィ!な、む、む、虫!いや、止めろ)


 虫は、トレシュからも這い出てオースに近付てくる。その虫は一匹では、なく何百何千と何処からか、這い出て来てオースに迫る。


「ギャー!!!!!」


 オースは叫びながらカルエ、トレシュから這いつくばって離れて、立ち上がるとその足で二人を置き去りにして逃げる。兎に角必死で走り逃げる。

後ろを振り向くと虫の大群が追ってくる。


 何処をどう走っているのか、オースには分からなかったが兎に角走る。

 どれくらい走ったのか分からないが、目の前に明かりが見えて来た。オースは、その明かりを目指して走った。そして着いた先には、何時間か前にパーティーメンバーと、気合いを入れて入った。

 ダンジョン入り口に戻っていていた。


「戻って…………来れた……」


 オースは、ばたりと倒れ気を失った。


 オースがダンジョンから出て倒れている。

だが、その回りにはちらほらと人は居るが、誰もオースに声を掛け様とはしなかった。





◇◆◇◆◇◆◆◆◇




「あらら?あそこで倒れてるのって、おれらが見張ってた奴だねぇ?」 


 木の枝に二人で立ち、一人がくるんと一回転して手を額に当てて、望遠鏡の形を作ってオースをみる。それで見えるのか?と、相方は思うが好きにさせる。


「ん?ああ。本当だ!何で寝てる?」

「分る訳無いじゃん。まぁ良いんじゃね?俺らは見張ってろって、言われただけだしぃ~」

「しかし良かった。あれ以上、下の階層に行かれなくて。俺らもヤバかったし!」

「そうだねぇ!ヤバかった……でも、ルーク様なら余裕で簡単クリア!」


 ブイと指でVサインをする影……。


 中々オチャメである。本当に腕の立つ影なのか?疑うが……。


「それな!本当そう思うわ。ハハハ!」


 そんな話をしていると、気を失って居たオースが気付きそうだったので、二人は直ぐに姿を隠した。



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