閑話 ワイルドウルフ パーティーside 3-1

 ダンジョンの前で、ワイルドウルフパーティーの全員が気合いを入れて、ダンジョンの中に入っていく。

 中は薄暗く壁には、篝火がユラユラと揺れている。


「ちっ暗れなぁ!おい!ルーク明かり付けろや!」


 オースが、パーティーにはいない人物に怒鳴る。


「ばっかじゃないの?ルーク追い出したの、あんたでしょ?」

「っせーな!何時もの癖だ!ッたく……おい誰かライト使えねーのかよ?」

「訳がねースッよ!あいつしか使えないの、分かってねーんですか?バカなんスッね」

「トレシュ!うっせぇ。テメー、いい気に成るなよ。オメーこそ先に行けよ、盗賊だろがよ!本来の役割をしやがれ!」

「仕方ねスッね!じゃ、先に行くから着いて来るスッよ!」


 トレシュが警戒をしながら先に進んで行く。

どれ位進んだろうか?中は薄暗く、見通しが悪い。

 それにフロアの2Fに、下りる階段が見当たらない。

 薄暗い洞窟の中を騒ぐ事なく淡々と歩き、地下へと下りる階段を探して、一階の中をウロウロと歩いている。

 そして不思議な事に、魔物にも罠にも未だに遭遇していない。

 不思議なダンジョン。

 そして、この中は…………広い。


「オース、ここは広いスッよ!階段がまだ見当たらないスッねぇ」

「みてーだな!たく疲れたぜ!一休みするか!おい!カルエあの辺りで休むから、結界は張れよ。オメー魔法ぐらい使えよ!」

「ええ!そんな魔法は使えないわよ?ルークに言って!」

「ばぁーか、ルーク居ないよぉー!!間抜け!」

「煩いわね、じゃあんたが結界?張りなさいよ!」

「私は、攻撃系の魔法しか使えないもぉーん!」

「使えないじゃん、あんただって!!」



 こいつら使えねぇー。


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