閑話 ワイルドウルフ パーティーside 3-2

 ギャァギャァと騒いで煩い、女達を見てオースは珍しく悩む。

 はーぁ、どいつもこいつも使えねぇー!!

ッたく何なんだよ!ルークを追い出してから、全く上手くいかねぇー。あの方の言った通りに、追い出したのにだ。ルークを追い出せば、全て上手く行くと言われて、追い出したのに……。 


 まさかルークを、追い出したのは不味かったのか?イヤ、あいつじゃない筈だ!!

 奴が使えねぇーのは、目に見えてたしな!


 あんなヒョロガリで、不細工で使えねぇー奴追い出したぐらいで、上手く行かない筈がない。


 今だけだ……そうだ、パーティーメンバーのこいつらがまだ、慣れていないだけの事だ直ぐに慣れる。


 ここは、暫く様子を見ねぇーとな。

 その内に、きっと使える奴が来る筈だ!


(そんな訳がある筈はない)


「仕方ねぇーな、取り敢えずここで一休みしたら。また降りる階段探すぞ!気い抜くなよ!」

「はぁーぁい」


 返事はリマの声しか聞こえなかった……。

 休憩が終わり、またトレシュを先頭にして歩き出す。

 そして、初めて別れ道が現れた。


「トレシュ!どっちだ?探索出来んだろ!」


 オースがどっちだと、後ろからトレシュに怒鳴る。


「ちょっと待ってくれスッよ、……ん?右スッね!」


 実はこのトレシュは、探索などできる訳がないのだ。

 盗賊の称号と言っても、素人に毛が生えたくらいの事しかできない。


 そんなことを知らないパーティーメンバーは、トレシュの言う通りに、右の道に向かい歩いて行くが。その道は迷路に成って居たらしく、同じ道を彷徨歩く。


「トレシュ!本当にこの道で良いのよね?」

「え、大丈夫すっよ!」

「お前ちゃんと、マッピングしてるのか?ルークはしてたよな?」

「し、してるすっよ!」


 んな訳ねだろう、仕方が分からねぇんだからな。

 ダンジョンなんて適当で良いんすっよ!


「何か同じ所を歩いてる?感じぃー、トレシュちゃんと仕事してるのぉ?」

「うっせぇすっよ仕事、仕事って!あ、そこ左すっ」

「さっきも、歩いたわよここ?」

「おい!馬鹿トレシュ!テメー俺達が何処に居るのか、ちゃんと把握してんのかよ!」

「し、してるすっよ!あ、そこ右すっよ行くすっよ」 


 すると、下に行く階段が偶然にあった。


「ほ、ほら階段があるすっよ!」


 トレシュが、喜び急いで階段に近づいていく。

 そして、トレシュの後に続いて階段に向かい、走って行った。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る