第52話 誕生日パーティー パーティーの終わり

「何をしてるのかしら?4人で楽しそうね。チェスター貴方……何故、そこで寝てるのかしら?みっともないから、シャンとしなさいな!」


 母の声を聞いて寝転がっていたチェスターは、素早く起きる。そしてまた固まる。


(なんだ、あいつは?)


 母に目を向けると……ヤバい、母上激怒だ!すると、エルク兄上が小声で話し掛けてくる。


(ルー。あれは……不味いぞ!母上のこめかみ辺りの、血管切れそうだぞ)

(分かってますよ!ですが、俺のせいでは無くてすべて、チェスターが原因ですよ)

(………分かった)


「は、母上。探して居たのですよ、何処に居られたのですか?」

「まぁ、そうでしたの。ルークご免なさいね?旦那様と一緒に、お客様にご挨拶をして廻って居たのよ」

「そうでしたか。ローズにも居場所を聞いて、いたのですが。ローズも知らないと言うし、ホールも広いですし人も多いので、仕方がないですかね?」


 母に、ニコリと笑う。


「まぁ、仕方がない子ね。ローズ!私達と先程まで一緒に居た筈よ?何故、ルークに教えて差し上げなかったのかしら?」

「え?ルー兄様。お母様を、お探しになられてましたの?」

「そうだよ、聞いていなかったのかい?」


 そんな話しはローズにしていない。

 少し意地が悪かったか?まぁいい、チェスターに強く抱き着かれたのはローズのせいだしな。


「え?そんな話は……」

「まぁ~なんにせよ、母上がここに居らしてくれて、良かったではないか。ルー?」

「そうですね、エルク兄様」

「で?何をして居たのかしら?チェスターが動かないみたいですが?そろそろ、お客様全員をお見送りする時間ですよ?」

「やっと、パーティーも終わりですか?母上?」

「ええ、そうよ。エルク……さぁ、一緒に行きますよ?」

「ええ、そうしましょうか?」


 すると、今までなんの反応しなかったチェスターが、体をピクリ動かした。キモイ!

 そして、母の「お見送り」という言葉を聞いた、チェスターが突然反応して声を上げた。


「もうそんな時間でしたか。では、皆お客様にご挨拶して見送ろうではないか!ほら、エントランスにいくぞ。ハハハ!」

 どかどかと一人で歩き、エントランスまで向かって行った。


「何あれ?歩き方も後ろ姿も下品だ!」

「大方良い所を見せ、父上にアピールしたいんだろ?今までの事を、『無かった』事にしたいのだろうがな」

「バレバレですがね?酒に酔って覚えてないとか言いそうだ!」

「言えてますわ。絶対に言いますわよ、チェスター兄様ですもの」

「「全くだ!」」

「三人とも、後で詳しく聞かせて頂戴!ルークそれより彼方は大丈夫ですか?」

「滞り無く、済んでますよ。後は執事達の采配ですね」

「分かりました、ありがとう。それでは私達も行きますよ」


 そして、エントランスで招待客を見送った。


 会場に残ったのは、従兄弟二人だが?母どうすんの?


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