第44話 誕生日パーティー。ローズの挨拶

 時は遡り、ローズのパーティーが開催される直前にローズがごね始めた。


ローズの支度はしっかり、出来上がって。

お飾りには両親からプレゼントされた、宝飾品とエルクから受け取った、ブローチを身に着けていた。

 そして、招待客の前に出る少し前に。


「何でルー兄様が、いらっしゃらないの?」 


と、ローズが言い出した。


「ローズ……ルークの件は、昨夜伝えた筈だが?」

「そ、そうですが。お父様………でも」

「ローズ……貴方今日からは成人ですよ?いつまでも子供のままで居られては、困ります。聞き分けなさい」


「……分かりました、ごめんなさい。お父様、お母様それにお兄様達も、今日は宜しくお願い致します」


 両親、兄達に頭を下げて謝る。


「良くできました。ルーもそろそろ来るよ、遅れると言ってほんの数分の事だ」

「分かりました。エルクお兄様では……参りましょう」

「私も居るのだがな?ローズ?」

「フフフ、それは申し訳ありません。チェスターお兄様、お兄様も宜しくお願いしますわ」

「あ……ああ」


 そして執事がパーティー会場である、大ホールの扉を開け両親が先に、ホールに入って行った。

 それに続いてローズも、兄二人にエスコートされホールに入る。


 そして、先に父が挨拶をする。


「お集まりの皆様、本日は私の娘ローズマリアの誕生日の為に、お集まり頂き感謝する。当家の長女が無事に16才を迎える事が出来た」


 後ろを振り返り私を手招きし、エスコートをして舞台の中央に立つ。


「それでは、ローズマリア挨拶を」


 父が、私から離れたので、カーテシーをして頭を上げて挨拶する。


「皆様本日は私の誕生日為に、お集まり頂き有り難う存じます。皆様のお陰で私も無事に、16才を迎える事が出来ました。ですがまだまだ未熟な部分が、多々在るかと思います。これからも皆様の御指導御鞭撻を頂き、成長して行きたいと、存じますので宜しくお願い致します」


 挨拶が終わり、父が再び声をあげる。


「それでは、ローズマリアの誕生を祝して乾杯」

「「「「「「「乾杯」」」」」」」



そしてローズの、誕生日のパーティーが始まった。

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