第39話 器用貧乏にご注意を!

 全く王都の屋敷になど、泊まるものでは無いな悉く家族に捕まる。


「エル兄様……何か、ご用ですか?」

「用はないぞ……」

「では、何故待てと?」


 俺も忙しのだ!オーラを出してみるが……兄には効かない様だ。


「今日は忙しいと言っても、使用人が忙しいだけだ。父上とチェスターが来れば、家族全員が揃う」

「はぁ、まぁそうですが……ん?」

「察しが良いと、話しが早くて済むよ。そうだ、これからローズのパーティーの事。それが終わった後の事を、打ち合わせをしたいんだよ。あぁ……それと俺にも、サンドウィッチくれ腹へったよ」(笑)


 何とも、腹へったですかエル兄様。


「腹へったですか、兄上。それでは、母上と同じ物で良いですか」

「エル、言葉が悪いわよ」

「母上、多目に見て下さい。ルー同じ物で良いよ!あと……セバ俺にお茶」

「承知致しました。エル坊っちゃん」

「ぶっ、坊っちゃん?止めてくれ」

「セバス………私にもお茶のお代わりを」

「あ、あの私にも……お茶を下さいませ」

「承知致しました。お三人共……お待ち下さい」


 クスクス笑う。和やかな雰囲気で穏やかだ。


「エル兄様、これで良いですか」


 コトリと、サンドウィッチを乗せた皿を出す。


「有り難う。旨そうだ、これルーの手作り?」


 母が居るのを、忘れては居ないのだろが……言葉が雑になってるぞ兄様。(笑)


「そうですよ、お口に合えば良いですが?」

「ルーの手作りで、外すものはないよ」


 そういいながら、エルクがサンドウィッチを摘まむ。


「うん、旨い」

「お口に合って何よりですよ」

「本当にルークは、器用よねぇ~。子供の頃から何をさせても、そつなくこなすし」


 それは仕方がない。何せ生まれる前の記憶が在るので、日本の食べ物が恋しいのだ。材料が有れば作る!を、していたらこうなった。(笑)それに何となく子供の頃から甘えるのが難しく、そのままの距離を保って居る。


「まぁ、器用貧乏に成らないよう、気を付けますよ」


 ハハハッ、笑って誤魔化そう。

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