第38話 朝食は?

 ローズが不思議な顔をして、考え事をしているとサロンに誰かにが入って来た。


「おはよう御座います。母上、三人共早いですね?ふぁ~」


 とあくびをしながら、エルクが一人でサロンに入って来た。


「おはよう。エルク?ルイスは居ないのね」

「母上、おはようございます。ルイスは部屋の片付け中です。あっ!母上、美味しそうですね?それ」


 エルクが目敏く母上が食べる、サンドウィッチを見つけると、手を延ばし摘まもうとするが。

 母にペチっと手を叩かれる。


「これ、お行儀が悪い!先ずお座りなさいな」

「って、母上痛いです。(笑)食事をと思ったのですが、食堂やその他の場所も。戦争でも起こるのかと疑う位に、賑やかだったので。諦めて此方に来たのですが。ルーが居てくれたので、助かりましたよ」


 と、ニコリと笑う。


(ローズはエルクの微笑みが、ルー兄様と似ているのに気が付くと『眼福だわ♡』とほわっとする)


 なんとなくルークは嫌な予感がしたので、そろそろ部屋に戻り支度して、領地に戻ろうかと考え出した。


「セバ、そろそろ領地に戻る準備だ」 

「畏まりました。ルーク様ではお支度して、戻りましょう」


 立ち上がりサロンから、出ようとしたらストップが掛かった。


「待て、ルーク」


 遅かったか、逃げれないなこれは。


「おはよう御座います。エル兄様……何でしょうか?」

「待て!と言って居る!何故私を避ける?」

「いえ、たいした理由は在りませんよ?エル兄様。唯そろそろ領地に戻らないと、仕事を中途半端のままで、王都に来てしまったのですよ。戻って仕事を終わらせようと思いまして……」


 捕まったか……。

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