第33話 1日早いが……

それから、一夜開けてパーティー前日に。珍しく王都の屋敷に泊ったルークは……サロンでセバスの出したお茶を飲み、ストレージから出した自作のサンドウィッチを摘み、慌ただしくする使用人達の姿を眺める。


屋敷の中は騒然としていて、昨夜フォルクスが屋敷の使用人全てに指示を出し、その通りの行動で動いて居るのだろうが、見るからに慌ただしい。


各部署の長に、マジックバックを持たせて居るので。ある程度まとめて置けば、全ての収納は簡単にできるはすなのだが、何故こんなにも騒然としているのか?


「あぁ、段取りが不味いんだな(笑)」

「何か仰いましたか?ルーク様?」

「ん?嫌、別に・・・・」


何せ屋敷が馬鹿デカイ。

だが明日のパーティーだけで考えれば、そんなに大事にはならないはず。

だれか、屋敷の移動も一緒に考えてるなこれ(笑)


ボーッと考えながら、揺ったりとしていると可愛いらしい足音が聞こえてきた。するとローズがサロンに入って来る。


「まぁルー兄様おはよう御座います」


元気な声で挨拶をされる。

低血圧なルークはまだ機嫌が悪い。


「あぁ……、おはようローズ。朝から元気だね?」


気だるげに言うと、更に元気な声が返って来た。


「まあ、ルー兄様はお疲れのようですね?どうかしましたの」


お前に合ったからだとは、言えないので適当に誤魔化す事にする。


「連日忙しくてね、また此れから領地に戻って仕事だよ」

「そうでしたのね?私も今日は、明日の支度と領地の移転のための、お部屋の物の整理ですわ」

「そう、マジックバックは足りる?」

「さぁ?私は分かりません。全てマルレイに任せてしまって……」


まぁ、お嬢様がそんな事を把握する事ではないな。(内心それでいいのか?と思うがね)


「ふぅ~ん、まっローズらしくて良いのでは?」

「まぁ、ルー兄様冷たいですわ」

「普段通りだよ?あっ!そうそうローズ。明日は朝から俺は忙しいんだ。なので今渡しておくが、一応謝っておくぞ?明日は……すまんね?そして……1日早いが誕生日おめでとう」


と、言いながらイベントリィからローズのプレゼントを出す。


ちゃんとラッピングはしてあるぞ!しかもちゃんと可愛くにだ!


「な、何が、すまないのか分かりませんが……?ルー兄様全く……雰囲気が台無しですわ」

「妹に雰囲気を作ってどうするんだ?」

「ですが!まぁ~仕方ありませんね?お兄様ありがとう御座います。開けても良いですか?」

「ここでか?」

「ええ、そろそろお母様もサロンに、お目見えされますわ」


それが嫌なのだが?妹よ、空気読まないと扱いがチェスターに成るぞ(笑)

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