第20話 メイドの未来
両親も、出された紅茶で喉を潤し話を始めた。
「それとローズ。お前に、執事を一人着ける事にする」
「え?執事ですか、今さら要りませんわ。私の身の回りは、マルレイだけで充分ですわ」
「いや、其だと不味いのだよ。お前には男手がおらん」
「ですが………お父様?私、殿方か側に居るのは……ちょっと……(お兄様以後無理!)」
「ローズ、大事な事なのよ?」
「そうだぞ、マルレイはハウスメイドだ。戦闘に巻き込まれた時に何の、対処も出来ん。その点執事を着ければ、対処も出来る。お前が嫁ぐまでの間だ我慢致せ」
「………」
「ローズ、会って見たら如何?案外気に入るかも知れなくてよ」
気楽に言って来る母に少し苛立つ。
マルレイは、戦闘メイドではないが決して役に立たない訳では無いのだ。幼い頃から、メイドとして着いて来てくれて居るのだから。
「ローズ、お前。マルレイを一生独身で通させる積もりか?」
父のその言葉を聞いて「ハッ」とする。
そうだ、マルレイにも人生は在るのだ。結婚もしたいしだろうし、子供も欲しい筈よね?その時に、メイドの仕事が出来るのかしら?
人に寄っては出来るだろうが、その時に成って見ないと分からない。自分の我が儘で縛り着ける事は傲慢である。
メイドも変わる、そのタイミングは分からないが側に誰もいないと動くのには不便が出る。
ならば今、このタイミングで1人執事として居てくれた方が良いのだろう。
頭では理解出来た、後は心だけです。其に慣れるしか無いのもわかるわ。
そう言えば、マルレイは子爵家の令嬢だったはずよね?それなら、見合いの話も出て居ても可笑しくはない年齢のはず。私が子供だったせいで考えて無かった。誤算ですわね……。
「お父様、お母様申し訳在りません。私が我が儘でしたわ……。子供だと言われるのは、仕方がないですね。私も後何日かすれば成人でした。いつまでも、子供の様な考えではいけませんね?分かりましたわ執事の件は進めて下さい」
「分かってくれたか。良かったなぁ……リエル。これでひと安心だ」
「ええ、後はローズの執事候補を、屋敷に呼ぶ様にしないとね。はぁやっと残りの話しは、ルークのみです。貴方頑張りましょう」
「ああそうだな!ローズもう部屋に戻りなさい。次期に夕食だ」
「ええ、ですが。ルー兄様に、ご挨拶がしたいですわ」
「駄目よローズ。お父様の、お言いつけに従いなさいな」鋭い目でローズを見る。
「わ、分かりましたわでは。私はお部屋に戻ります」
ローズが立ち上がり部屋を出て行った。
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