第17話 お父様嫌ですわよ!

 執務室の扉の前に立つと、メイド長が扉をノックして入室の許可を取る。


「旦那様。ローズ様をお連れ致しました」

「入れ」


 父から入室の許が出たので執務室に入る。

 ローズが、執務室に入ると母も一緒に居たので安心する。


「お父様、お母様?お呼びでしょうか」

「おお、待っていたぞ。さっ、そこに座りなさい。ナタリお茶を」

「承知致しました」


マルレイが、ワゴンをして来るとナタリと二人でお茶の用意をし始める。


「さっそくだが、お前に話さなければならない話があってな」

「お話ですか?」

「ええそうなのよ?まぁ、そんなに重要な事では無いのだけれど。先日、貴女に王子からの婚姻の申し出があったのよ」

「はぁ……はあ?」


 理解できず間の抜けた返事をしたが、我に反った。


「お、お父様?」嫌です!


 父の顔を見ると、済まなそうな顔をしたが


「お父さ…………」話の後を、続けようとしたが母が止めた。

「最後まで聞きなさい」

「は、はい」

「宜しい。婚姻を申し出たのが、寄りにも寄ってあの第三からなのだよ、はぁ」


 その言葉を聞いたローズは、目眩を覚えて目の前が暗く成った。


「ロ、ローズしっかりしなさいな」


 母に気を失う寸前に叱咤され、正気を取り戻す戻す。


「も、申し訳在りません。あまりに突拍子もない話でしたので、気を遣る所でしたわ」

「そ、そうか、続けても良いかな?」

「お父様申し訳在りません、続けて下さいませ」

「分かった続けるぞ、それで私達は王子からの縁談は、すぐに断りを入れたのだが……」


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