第10話 パーティーの参加者は

 親子の会話が、堂々巡りを続けているが歩みは止まって居らず、ガウルの執務室の前に着く。


 マルスが一歩前に出て扉をノックする。


「旦那様。奥様、チェスター様をお連れ致しました」

「入れ!」


 部屋の中から返事があり、マルスが扉を開ける。

 執務室には、家相のフォルクスが執務のサポートしていた。


「貴方。お仕事中にごめんなさいね?時間は大丈夫かしら」

「ああ、大丈夫だ。そこに掛けてくれ、チェスお前も座れ」

「はい」


 フォルは人数分の、お茶を用意し始めるとマルスもサポートする。


「さて、チェス?先触れ等出して何かあったのか」

「はい、父上。実は……問題が2件ありまして」

「ほう?」

「3日後のパーティーで、除外した筈の第三王子が、何処からかパーティーの情報を嗅ぎ付けた様ですよ?」

「「は?」」

「真かそれは不味い………ぞ!」


 夫婦で頭を抱える。


「何処からか、漏れたのかしら?」


 招待客は厳選した筈だ、ローズの学友が多く招待されている。考えるとしたらそこからかしら?

 それとも招待した貴族からか、どちらも考えられるわね。


「あとは、何だチェス」

「此方も、何処から嗅ぎ付けたのか?ルークの見合の話が在ったかと思いますが……」  

「ええ、皆さんにはお断りしましたわ」

「存じて居ります。ですが、その中の男爵家のご令嬢が、ローズのパーティーに出席したいと申し出たそうで。男爵家から打診が参りました。どうやら、ルークがパーティーに出るのを嗅ぎ付けた様です」


 あのピンク頭の令嬢ですって!何て非常識なローズの学友でもない筈だわ。


「何故チェスに情報が入った!」


 ガウルが激怒する。


「では、先ず。第三者王子の方ですが、警護命令が先程騎士団に通達が在りました。内容は我がマクゥエル家の訪問の為の、警護命令でした。そして男爵家の方ですが、私にこの様な文面の文を伯爵家の騎士から受け取りました」


 チェスターは父に受け取った文を渡す。


 文を受け取り、内容に目を通し読み終わると父の眉間に皺が寄る。


「はぁ~」


 ガウルは、ため息を付き黒いオーラを身体に纏わせる。


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