第8話 手の掛かる………。
リエルも、黒いオーラを引っ込めて珍しく娘が泣くのを見て思い直す。
強く言えば素直に引くと思ったのが、誤算だったので慌てる。
「ロ、ローズ。ご、ごめんなさいね?お母様は貴女の事も大事なの。ルークだって大事だわ。だけれど、ローズは未だ学生だもの。マクゥエル家の事は、学園を卒業してから知っても遅くは無いわ。だから、今は知らなくても良いの。チェスターと話す事だって、お父様と三人で話し合って、ローズに話せるなら。後で、お父様からお話をして頂きましょうね?それ迄少しお待ちなさい。ほらほら、綺麗なお顔が台無しですよ?お顔、直していらっしゃいな?」
リエルがローズの涙をハンカチで拭う。
「わ、分かりましたわ。お母、様我儘を言ってごめんなさい」グス
「大丈夫よほら、お行きなさいな、マルレイ!ローズをメイク室に付き添って頂戴」
サロンの外で、待機していたマルレイが呼ばれたので慌ててサロンに入る。
「し、失礼します。奥様、お嬢様がどうかなさいましたか」
「マルレイ、聞いて居なかったの?まぁ良いわ、ローズをメイク室に連れて行って頂戴!ローズ、お顔直したら一緒に昼食を頂ましょうね」
「はい後程、食堂に伺いますわ。失礼します」
ローズが立ち上がりサロンを退室して行く。
全く、手が掛かるわね………。
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