第7話 泣くローズ。

 兄と母のやり取りを見て、まるっきり無視をされて。

 話が進んでいくのに、少し寂しく思うローズである。


「お母様、私も居るのです。何かお手伝いしたいですわ」


「「ローズ」!」


 二人が、声を合わせローズを叱咤する。


「な……なんですの?お母様も、チェスお兄様もお二人共。私だって役に立ちたいです。ルー兄様ばかりに、厄介な事をさせて要らして。どうせ、ルー兄様絡みの事でございましょ?」


「まぁローズ。何て事を仰るのかしら?私達がルークに、厄介事を押し付けてると言うのかしら?」段々オーラが黒くなる。


 ローズが母の地雷を踏んだ!母の顔色が変わっていく。


「ローズ、何て事を言うんだ!今の言葉は口に出してはいけないな?母上様が悲しむ」


 ローズが母の様子を見て、怯え目に涙を溜める。それでもなんとか、声を出す。


「で、ですが、私だけ何も知らないのです。そんなのはい、嫌です……わ」


 知らないのは嫌だと言い、瞳から涙を一粒流す。

 珍しく、ローズの弱い部分が出てきた。

普段は気丈に振る舞い勝ち気な部分が多く見られる彼女が、家族から孤立するのは嫌だと、言い涙を浮かべて泣く。

 突然ローズが涙を流したのを見て、母と兄がローズが泣くのを見て二人で焦り始める。


「ロ、ローズ泣くな」


 チェスターが、あたふたする。涙を拭くハンカチをポッケットに手を入れ探すが入れて居ない。

 自分の身体をパタパタと探すがハンカチは出てこない。残念だ。


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