閑話 ワイルドウルフパーティー side 2-Ⅷ

~ダンジョン村イースト到着 5~




オースは起き上がると、服の埃を払い。

何もなかったかの様にそそくさと、ダンジョンに向かい歩き出す。

先に行くオースの後を追う様に同じく《何もなかった》を装って、カルエ達がオースの後ろを歩き文句を言って歩く。


「何なのよあの村!馬鹿にして」

「すっねぇ」


トレシュは、カルエに対してそれしか言えねぇの?と内心思ったが言わないでおく。

だが……今さら当たり前の事を考える。

やっぱりルークを追い出したのは、不味かったのでは無いかと。


だが、考えはそこで止まる。ルークを追い出したのは自分達なのだからそして………。

 彼奴は役立たず、だったのだからと……。



そして、ダンジョンの入口まで3人歩くと野営が出来そうな場所を探し野営場所を見つける。


「少し入口から離れたが……仕方ねぇ、此処で今夜は野営だ!交代で火の番をすンぞ!カルエ、オメー最初に番しろや」


珍しくオースが纏める……。


「分かった、あとは?」

「トレシュが次だ」

「了解すっ」

「おら、寝んぞ」


ごねる体力も無くなったのか?サクサクと、役割を決めれば事は速く進む。

普段ごねるリマも居ないので、仕事が早く進み朝になった。

朝になり身支度をして食事を取り、ダンジョンの入り口迄戻ると、思いがけない人物が腰に手を充てて怒りながら立っていた。


「んもー最悪!みんなでリマを置いてきぼりにして」


リマの姿を見た3人は呆れた。


「「「要らね」わ」すっ」

「ち、ちょっと酷い!大変だったんだからね」


騒ぐリマを無視して、オースが声を掛ける。


「お前ら、これからダンジョンアタックだ!俺らを馬鹿にした奴らを見返してやるぞ!依頼達成出来たら俺らはAランクに、ランクアップだ」

「「「おう!」」」


そしてこれから、自分達がこの依頼を受けて来たオースを恨む事になる。


死なずに逃げてこられるかは、見物である。



◇◆◇◆◇◆



《オース達をずっと、見張り続けた影二人がニヤリと笑う》





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