閑話 ワイルドウルフパーティー side 2-Ⅴ

~ダンジョン村イースト到着◇ 2~



「オース、どこ行くのよ」

「あ?俺はギルドに決まってんだろ」

「ギルドに行ってどうするすっ?」

「ギルドに行きゃあ、この町の事とダンジョンの情報が聞けるだろぜ」

「それもそうね。意外に考えてるのね私も行くわ」

「チッ、バカにしやがって!」

「あ、俺も行くすっ」


 ダラダラと歩きながら、冒険者ギルドを目指す。

 暫く歩きオース達がギルドの前に到着して、その立派な佇まいに三人は唖然とする。


「なにここ?ギルトなの?」

「ギルドだろうな、看板があるぜ」


 外観が豪華で、貴族の屋敷に間違えそうな外観である。


「と、取り敢えず入ろうぜ」

「そうね。トレシュ先に入れば?」

「は?まぁたすっか、仕方無いすっね!」


 トレシュが、先頭に立ってギルドに入って行く。その中も豪華で、若干気劣りしながら3人が受付カウンターに向かう。


「あら、いらっしゃいませ。本日はどの様なご用でしょうか?」


 オース達に気付いた受付譲が、カウンターから声を掛ける。


「すいやせん。この村で安く泊まれそうな、宿屋は無いすっか?」

「は?」

「いや、だから安屋宿すッ!」

「し、少々お待ち下さい」


 受付の女が席を外し事務所に引っ込んだ。


「なんだ?」

「「さぁ?」」


 席を離れた女を見送り、首をかしかげて三人が顔を見合わす。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆




 女が慌てて事務所に入り優男に声を掛ける。


「さ、サブマス、どうしましょう」

「どうした?ミッシェル慌てて」 


 先日、通達があった連中が今来ています。



「ほう、それはそれは………来たな。で、連中は何と言って来てるんだ」

「この村に、安宿は無いかと聞いて来てます」


 ははッ安宿だと?笑わせてくれる。


「笑ってる場合では、無いですよぉ、どうしますか?」

「ハハハッ、そうだな。しかし安宿ね!そんなもの在る訳がねぇよな?ミッシェル!」

「そ、そうですね。ホホホ。では?」

「自力で何とかしろと伝えろ!」

「えぇ!……し、承知しました」


 シュンと項垂れて、ミッシェルが事務所を出ていく。


「すまんなミッシェル」


 サブマスが詫びる。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る