閑話 ワイルドウルフパーティー side 2-Ⅱ
~ダンジョン村イーストへ 2話~
目的の、ダンジョンまでは徒歩3日程掛かる。
町の側のダンジョンとは言え、それなりに距離は在る。
そして、移動の手段を考えねばならないのだが………。
どうやらオース達は歩きを選択した様だ。
唯単に移動手段を、パーティー全員が知らないだけなのだが…。
さて、その歩きを選択した間は野営をしながら、ダンジョンを目指す事に成る。
《馬車なら1.5日だが、オースにそんな情報を集める頭はない。今までは、移動で必要な情報、食事、野営場所他は、全てルークが段取りをしていたので、全くやり方が分からない》
町を出て、暫く歩くと太陽が真上に差し掛かる。
「おい、そろそろ飯にするか、トレシュ!テメーが飯の準備しやがれ」
「は?ならオース俺に金払ってくれすっ」
ニヤニヤとトレシュが笑う。
「何だと!お前に金だと?なんで、そんなもんお前に払わないと、いけねぇんだよ」
「飯の支度で掛かる、金だからすっね?俺は自分の分だけしか、食いもんなんて。持ってねぇすっよ!夜営の道具も、俺の分だけしか持ってねぇすっよ!」
「だから、支度しろよ!ってんだよ!」
「何言ってんすっか、俺に頼むなら金払えすっ。払えねなら、自分達で飯は用意するすっね。この仕事は、オースが取って来たんだ。テメーで飯の支度ぐらいして、俺らに食わせてくれすっよ」
バーカ(笑)
「テ、テメー良い気になりやがって!」
「うっせーすっよ」
トレシュは先にスタスタと歩いて行く。
「俺は、絶対!馬鹿なルーク見たいには、成らないすっよ」と、小声で呟いた。
後ろでは、3人がギャーギャー騒いるが……。それに構わず、歩ながら持参の干し肉を食べながら歩いて行く。
それからのダンジョン村までの道中も酷かった。
◇◆◇◆◇◆◇
見張りの影達は、お粗末な光景に腹を抱えて笑い。こんな滑稽な光景をいつ迄、見張っていれば良いのだろうと頭を悩ませる。
見張りの影達が見た光景は以下の通りである。
夜営の支度も夜営中も最悪で。
初日の夜から食事の事で揉め、火の番と見張りの交代の順番で揉める。
女達は、風呂がないと言って騒いで揉めてた。
生活魔法の、クリーンがないと揉める始末。
生活魔法って、誰でも使える筈なのだが……。
ここには使える人種がいない。
オース達がBランクの冒険者?……誰が聞いても嘘だろと疑うくらいの、低ランクの冒険者パーティーだ。
オース達より下のランクの冒険者達に、話を聞かせれば。なにが、Bランクだと怒りの声が上がる筈である。
魔法使いが居るのに、生活魔法が使えないのだ。
魔法使い意外の者は使えなくても、魔法が使える者が二人居るのに……使えないとか?(笑)
食糧も手持が無いと、騒ぐリマに腹を立てて怒鳴るカルエ達が騒がしくてならならい。
それでもなんとか、町に向かって歩いていると、魔物と遭遇する。
だが、それさえ真面に討伐出来ずに逃げ出す。
と、いうお粗末な事も……。
これには本当に影達は笑った。
以上これまでの報告は終わり。
移行はまた後日の報告となる。
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