第35話 タンザナイトとペリドット


 タンザナイトを取り出して、手にした石を父に見せる。

 ルークの手には、透き通る青紫の石が乗っていた。


「ほう………これは。また……変わった色味で綺麗だ。少しお前の色に、似てるのではないか?」


 は?俺にですか?あぁ瞳の色かな?


「まぁ、ホントに綺麗だわ。あっ!ではフォルのペリドットはどんな、石なのかしら?」 

「母上、ペリドットですか?ちょっとお待ちを」


 ストレイジからペリドットを出す。


「母上、フォル。ペリドットとはこちらですね」


 手の平に、薄い緑色の石が手に乗るっている。


「まぁ、こちらも綺麗ねぇ~。ほら、フォル綺麗よこれが貴方の守護石だそうよ?」


 フォルが、ルークに少し歩み寄り手のひらに乗る石をみる。


「奥様、ルークぼっちゃま。とても綺麗な石なのですね私も、誕生石を覚えて妻や娘に贈りたいですね」

「まぁ~素敵。是非、そうなさいな喜ぶわよ?」

「はい、ありがとうございます奥様」


 フォルが礼をして、ガウルの後ろに下がる。

 さてさて、これで納得してくれたかな?


「ですので、此方は一度作り直して贈ろうと思います」ニツコリ

「そうね………出来上がりが、楽しみだわ!ねぇ貴方」

「そうだな!ローズの誕生パーティーで見せてくれルーク」

「ええ、ローズと一緒に見て下さい。あと先程の置物ですが此方も一度壊して、作り直します。あと母上が抱いているテディベアも、回収させてください」

「え~ぇ、嫌よルーク。私はこのクマが気に入ってしまったのよ?ローズにはまた、別の子を贈り物にするのでしょう?それにこの、置物も行き場が無いなら私が欲しいわ」

「いえ、母上。作り直します。直ぐですからお待ちいただければ」

「そう?でも………」


 母上が、テディベアを子供を抱きギュウっとする。


「母上……」


 ニコリと笑って、預けて下さいとお願いをする。


「分かったわ、はい」


 抱いていた、テディベアを渋々ルークに渡す母リエル……だ。


「ありがとうございます。母上、少しお待ちを」

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