第33話 誕生石を入れて

「ルーク」

「なんですか?エル兄様……」

「ローズには。あの母上が抱いている人形と、このオルゴールとやらが、良いのでは?」


 すると、母上がエルの意見に同意する。


「エルの意見が、良いと思うわぁ~。ローズは成人と言えまだ、16才に成る年ですもの。此ぐらいの可愛さが、あっても良いわね?この、オルゴールと言うの?これは、美しい物だし。これも良いわねぇ~」ホゥとため息をつく。


「そうだな。それに、ローズが喜びそうだ。私もエルの意見に同意だな。それに良く見ると、リボンの宝石が幼さを緩和してて良いな。流石は私の息子だ!ルーク」


 俺は、ほっとする。両親と兄から誉められるのは嬉しい物だ。 


「では、決まりですね。ご相談出来て良かったです。ありがとうございます。父上、母上。それからエル兄様も」


 良かった、直ぐに決まって。

 後はこれを作り直すだけだな。


「それではオルゴールと、テディベアは作り直して。ローズの誕生日石を1石、づつ入れましょう」

「は、作り直すのか?」


 父が何故と不思議そうに、聞いてくる。


「ええこれは試作品ですし。まだローズの誕生石を入れてませんから」

「あら?私は完成形を見せてと、言いましたわよねルーク?」

「あ!そうでしたね?申し訳ありません。置物の方を少しだけですが、今から作り直しましょう。ちゃんと誕生石入れてね?」

「誕生石?ルーク何だそれは?」


 今まで、蚊帳の外だったチェスターが会話に割り込んで来た。


「チェス兄さま、知りませんか?」

「あ………あぁ、聞いたことがないな」


 あれ?この世界には無いのかな?まあ、元の世界の物だからな。


 でも………、お守り感覚で出しても言いかな?


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