第32話 何でそんなに持ってる!

 父上が母が抱くテディのリボンに目を向けると、驚き目を見開く。


「ルーク!お前どれだけ宝石を所持してる?花の置物、音の鳴る箱、このリボンに付いた宝石、これだけでもかなりの額のはずだぞ?」


「え?」


まずい、調子に乗ったか?まぁ良いな。どうせこれからもやらかすんだ、素直に話して置こう。

だが…………今では無いな。


「父上、母上、それに兄様達。後でその事はお話しましょう。今は、ローズの贈り物の話を進めませんか?」

「そ、そうだったな?済まんなルーク。さて、どうするのだ?ローズの贈り物は。この中から決めるのか?」

「そうですね。母上、この3点の中でどれが良いと思います?」


母上が、テディベアを抱いたま放そうとしない。


あれ?やっぱり気に入った感じ?しかも、目がキラキラしてるな。

あっ!これは………、揃いで欲しいとか言い出すパターンだな。さっきも、思ったが……本当に親かな……この人。


「ルーク、そうねぇ~決め兼ねるわぁ♡どれも素で、晴らしいんですもの」


どうしましょうと、抱いているテディベアに顔を埋める。


あの~母上は…………貰えませんよ?


「所で、チェスターよ」

「何でしょうか父上?」

「お前が、用意した人形とやらは、いまルークが出した人形と同じ物か?」


聞かれたチェスターは、ばつが悪いらしく父から目を逸らす。


「父上。私の用意した物は、当日ローズに渡しますので秘匿ですよ?」


何か思い付いたのか笑顔で言い放った。


「そ、そうか?まぁ、ローズに殴られぬ様に気をつけろ」


先程まで家族から、散々馬鹿にされ続けたのだから学習して欲しい物だ。


家族が生暖かい視線をチェスターに送る。


俺は知らんぷりだけどね?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る