第30話 完成形……。

 家族が、チェスターの発言に固まって居たが母上が………復活する。


「ルーク。今のを聞いて、同等の物を用意するのかしら?」

「え?そうですよ。父上、兄様達が反対したので?」

「ルーク!馬鹿を言わないで頂戴な、ローズが成人するのですよ?」

「ええ、分かっています。ですから、私が仮に試作品と称して、作った物は?と申し上げたら駄目だと申しますし」

「待って頂戴。ルーク、これらは試作品ですか?」

「ええ」

「こんなにも美しい物が、試作品ですって?(どれだけ凄い物を、考えてるのこの子は!)」

「では、私に見せて頂戴?そうね……これの完成したものを」


 母上が置物を指をさした。


「良いのですか?後で怒るのは、無しですよ?」

「ええ、大丈夫です。口は出させません」

「お、おい!リエル」

「黙って、貴方!ルークが出す物はいつも素敵なのよ?それを他の貴族に自慢できるのよ?」

「そ、そんなに自慢したいのか?お前は!」

「何が、行けないのかしら?息子の自慢が、出ますわよ?マクウェル家の自慢ですわよ?」

「そんなことは、しなくて良いだろ?」

「なにをいてっるの?お茶会の話の話題になるでしょ?ホホホ」


 そ、そんなに下らない事をしてたのか……。馬鹿馬鹿しい。


「ほら、ルーク。これの、完成形を私に見せて?」

「母上…それでは。絶対、怒るのは止めて下さいね。なら!」


 ポーッと、テーブルの上が光り形が出来上がって来る。


 数刻前に作った置物より、少し大きな物が出てくる。光が収まり、テーブルの上には硝子ケースの中に、クリスタルの薔薇の花束が花の本数も色も増え、宝石の数も増えている。


 薔薇の色も二種類から三種類に増え、茎にリボンが結ばれて居るような形になった。


 出てきた置物をみて「よし完璧」と、思わず言ってしまった。


「まぁ~何て、綺麗なんでしょう。先ほどの物も綺麗でしたが、これはローズが喜びますね。ねぇ~ガウル」


 チラッと父上達を見る母が怖い。


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