第29話 参考にするのは熊の人形?
母に怒られるかと身構えて居たら、肩透かしを食らう。
「なんて、綺麗なんでしょう。これはなにしら?教えてルーク」
オルゴールを見て、うっとりとする母上が満面の笑顔で微笑み俺をみる。
「え?あぁ、これはオルゴールと言いまして。ほら、上の蓋を開けると音が鳴るんですよ。中の人形が、動く様に作りました。可愛くて綺麗な音でしょう?これをローズに贈ろうかと今、相談しておりました。後こちらは置物なんですが」
見て下さい、どうでしょう?
予想外な反応だぞ、なら試しにだすか?
そして、さっきの硝子の置物も出してみる…。
「まぁまぁルーク!この置物の、美しい事。それにオルゴール?かしら、こちらも良いわね?」
「ええ………ですがどちらも父上達が。ローズの贈り物にするのは、駄目だと仰いまして」シュンと項垂れる。
「ルーク!可哀想にいらっしゃい」
と母にハグされる。むぅ……ハグいらねぇ~。
「母上、ありがとうございます。ですので、これらの物は誰の目にも入らぬ様に仕舞って置きます」
「え?し、仕舞ってしまうの。それを……?」
「ええ、そうしますよ?ですが、母上聞いてください。他にローズに贈る物が浮かばないのですよ?」
「まあ、そう。それは困ったわね?先に見せて貰った物では駄目なのかしら?」
「父上達の反対を押し切ってまで、あれを出す訳にも行きませんからね?ですので、私もチェスターお兄様を見習って、お兄様と同じ物を。確か可愛い人形と花束でしたか。それを贈ろうと思います」
「は?お人形、花束?ルーク。それは本気ですか?」
「ええ!チェスターお兄様を、見習おうと思いまして。流石お兄様ですよね、参考になりますよ?父上もエルクお兄様も私が作った物は、駄目だと申しますし。父上と、エル兄様と同じ類いの物も憚られますし」駄目押しのシュン(笑)
「ルーク、ですが……こんなにも美しい物を閉まって、人形と花束ですって?チェスター!人形はどの様な物を、用意したのです?」
「母上?私の用意した物ですか?私は、くまの人形と、後は花束です!」
「「「「「く、くまの、は、花」」」」」
家族全員と、フォルクスが絶句する。
なんて、残念な兄であろうか?流石脳筋!(ぬいぐるみではなく、熊の人形なんだな?どんな人形なのか、逆に興味が湧く…………)
家宰のフォルクスも呆れてる。
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