第26話 試作品は?

 しかし、女の子の欲しがる物なんて、まったく浮かばないぞ!

 この世界で高価な物は、手に入れるのにも時間が掛かる。

 それなら、今回は…………作るか?


「ルーク、そんなに気に止むな?まだ10日ある」


 お!考えてたのを、困ってると勘違いしてくれた?そんなに困り顔してたかな?


「ええ、父上。ならば私は、作ろうと思います」

「「「作るか」だと」ほぅ………?」

「ほぅ~。どの様に考えてるおる?」

「そうですね?こんな物はどうでしょう」


 考えた構図を頭で浮かべながら、魔法を発動させて両手の上に乗るように作って行く。

そして、段々形が出来上がって行くと、U字型を逆にした硝子ドームの中に、クリスタルと宝石で出来た。花束が入った置物が出来上がった。


「おっと」危うく落とす所だった。


 そして、出来上がったそれをテーブルの上に乗せる。


「まぁ試作品ですが………こんな感じは、どうですかね。ローズにはもう少し、派手めが良いでしょうか?」


 それを見た3人は固まる。


「「「ルーク」俺にも」………またお前は」


 若干一名から、聞き気障りの悪い言葉があったようだが、気にしないでおこう。


「どうですかね?花はクリスタルでピンクと青に。花びらと葉には、金の縁取りをした薔薇を作り。宝石は真珠とダイヤとサファイアを、散らしたんですが。下の布はあえて、グリーンにしたんです。割りと良い出来だと思うのですが?」


「「「………」」」


あ、あれ、駄目か?


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