第24話 陰湿な兄

 母上が、サロンから退出すると少し緊張感が薄れる。

 だが、父上も退出した訳ではでないので緊張はするが。


「ふぅ~」


 誰かが、息を着いた。


「チェス!」

「は、はい!父上?何でしょう」

「お前。母が出て行っても安心するな、全くお前は!」

「いえ、私は緊張していたのでは、なくてですね……」

「…………」


 父が、呆れて顳顬を押さえて揉む。

 話の本題に入る前に、フォルクスがサロンに戻って来た。


「あぁ、戻ったな?フォル。しかし……ルーク!お前今回は逃げられんぞ、ローズ断ってのエスコートのご指名だ」

「は?父上、それは?」

「何かローズがどうしても、お前達3人を学友達に、自慢したいそうだ」

「「「面倒」臭い」……絶対嫌だ!」


 三人声を併せて面倒だと言う。

 社交場は本当に、面倒なのだ。

 胡散臭い連中が大勢たむろする、厄介な場所だ。


「しかし、面倒なのは他にあるぞ」

「何ですか……エル兄様?」

「よく考えて見ろ?誕生日だぞ、しかも成人だぞ」

「ん…………?」

「しかも、あのローズのだ!」

「…………あ!プレゼント!」

「「「そうだ」面倒」まずい」


 今度は父上、チェスと声が重なる。

 成人の誕生日パーティーか、花とか人形とかでは済まないよなぁ?ローズなら、それでも良いのか………。でも母が煩い気がする。


「お三方は、プレゼントはもうお決まりで?」

「何だ?ルーク探りか?」


 チェスターが、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべて、俺を馬鹿にしてくる。


「チェス兄さま…………」


 本当に残念です。他方面では優秀なのに?(多分)何故、空気が読めないのか?不思議だ。(あと意地が悪くなければの、話しだが。………本当に残念だ)


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