第10話 エクストラ・ヒールポーション!!

 どれどれと、掛けてあった布団を上半身まで捲りルークの診察を始めた、マルクス医師である。


「ふむ。どうやら相当強い力で、腕ごと胸を圧迫された様だのぉ~。これでは一溜りもない。誰がこんな酷い事をしたのじゃ?」


 チラリと、チェスターを見て睨むマルクス医師。その視線に気付かない者が一人……。

 それは、睨まれている人物……チェスターである。


「そ、それでルーク様は?」セバスが焦る。

「腕の骨、胸の骨が折れておるよ。ルー坊っちゃん、いま直してあげますからのぉ~。ヨシヨシ」


 マルクス医師が、ルークの頭を撫でる。


「お、折れてる!チェスター様。貴方は!よくもそんな酷い事が出来ましたね」


 セバスが、チェスター怒鳴り付ける。


「お、折れてる。わ、私は、そんなつもりは。……私は、私の可愛いルークに。私はなんて、事を!」


 チェスターが、膝を折りその場で愕然とする。


 それを見たセバスは思う、なんてわざとらしいのだろうと……。殺す気が満々のオーラを出しておいて、良く言うと内心思うが必死に堪える。


「さぁさぁ、セバス殿。これをルーク様に飲ませて」


 マルクス医師が、エクストラ・ヒールポーションをセバスに渡す。


「それを飲ませたら、様子を見るぞい……」


 マルクス医師から、エクストラヒールポーションのビンを受け取り、ルークにゆっくりと飲ませる。


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