第2話 息が出来ない

 ルークは椅子ごと壁に激突し、その勢いで椅子が壊れて床に転がった。その光景が面白かったのか、魔法使いのリマが馬鹿にして笑う。


「キャハハッ!受けるぅー血だらけ。ざまぁ~」


笑われているが………、こちらはそれどころではない。

椅子ごと壁に激突してるから、肩と背中が半端なく痛い。

床に転がった拍子に背中を打ったのと、体の何処かを傷着けたのだろう。

リマが、血が出だらけだと言ってるが、痛みでルーク本人も何処が切れたのかが、分からない。

兎に角痛みで気を失いそうだ、それ程強く蹴り飛ばされた。

そして、どこかの骨が折れてる。

くっそ!何でこんな目に遭うんだ?

俺、仕事してたよな?手は抜いてたがな。

………あからさま過ぎたか?


(痛ってぇー!動けねぇなー。これ…………ヤべェ~!)内心そんなことを思って、体を動かそうとすると、全身に痛みが走った。

だが、オースはそんなルークの痛みなど、気にもせずに再びルークに向い。


「ほら、出てけよ!」


と言い、今度はルークの腕を引っ張り、入り口までルークを引きずって店から投げ出した。


ゴロゴロと、もう一度、地面に転がされて身動きが出来ない。


「ウグ」


息が出来ない苦しい、何処かじゃないな。

これは、肋骨折れてるぞ。いてぇ~。

そして、4人が俺に蹴りを入れ罵声を浴びせる。暫く抵抗も出来ずに蹲っていると、気が収まったのか捨て台詞を吐く。


「じゃあなルーク。二度と、面見せんなや」


ゲラゲラと笑いながら4人は、店の中に戻って行った。



痛みで、暫く蹲りじっとしている。


ルークは蹲りながら、どうしてこうなったのか考えるが、理由が分からなかった。


気を失ないそうなくらいに、身体中が痛い。

だが、誰も助けてはくれない。


いつまでもこんな所で蹲っていても、仕方がない。ルークは、意識のあるうちにふらふらと立ち上がり、目立たない場所へ行き、ズルズルと壁に寄り掛かり座り込む。


取り敢えず、怪我治さないと!

ルークは、ハイヒールを自分に掛ける。

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