第一章 追い出された

第1話 お前じゃない

 冒険者が多い酒場で俺達5人が同じ席に座る。


「ねぇールーク、あんたもう要らないから。パーティークビよ、あんたじゃないわ」

「へっ?いきなり何、言い出すんだ!カルエ?俺が何したんだよ」


 ………理由が分からない。

 今まで上手くやって、これた筈だ。

 だが、カルエに続いて、見るからに柄の悪い大男が怒鳴り声を上げて、ルークを罵声する。


「いきなりじゃねーよ!頭悪りぃな相変わらずよ!オメーはクビだ出てけよ。バァーカ、オメェーじゃねえょ!」

「オースも何で?意味が分かんないんだけど?」


 俺じゃない?どう言う事なんだ?


「ほら、ルーク、さっさと出ていきなよぉー。アハハ!バーカ」

「リマ、お前もか?じゃあ、トレシュは……?」


 と、二人の顔をみる。


「悪ぃな、ルーク。お前抜いたパーティー全員で、決めたんだよ。………お前使えねぇー」

「そうよ、荷物持つしか出来ないものねぇ~」


 馬鹿にした目でカルエが俺を見る。


「俺たちは、もうすぐランクが上がって、Aランクになる。これからは、仕事のランクも上がるからな。オメー見たいなクズ、要らねぇんだよ早くでてけ」


 オースが俺に出ていけと言い終わると、急に椅子から立ち上がる。

 そして、座っている俺の側に近付いて来ると、椅子の脚を蹴り付けてくる。その蹴りで椅子と俺の体が揺れる。更に「早く出ていけよ」と、言われて今度は脇腹を椅子ごと蹴られて、そのまま店の壁に激突し椅子が壊れて床に転がる。


 ガラガラドーンという大きな音が店中に響く。

 その音に、店の中で酒を飲んでいた冒険者は、その大きな音に少し驚いたようだが、パーティー内の揉め事だろうと、見て見ぬ振りをした。

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