第14話戦闘来たぞ!!

そして、ゴブリンの出現する場所は前にハイマナ草を採取した場所から少し奥に行ったところで、まだエリア1である。

もちろん、高確率で見つかるはずがないとアイラに言われたハイマナ草を採取しながらである。

「ケンジって、ほんと規格外だわ。流石に運が9999あるからと言って歩いたらハイマナ草が見つかるなんてありえないわ」

「そんなこと言われても、見つかるものは採っていくしかないだろう?」

「いや、それはそうなんだけどね…」

そして、ビジュが俺たちに魔物に近づいていることを知らせる。

「ケンジ様、約20メートル先にゴブリン三体がいます」

「え?貴方の魔法はそんなことも出来るの?私もスキルはあるけど、そんな先はわからないわ、まだ」

「え?アイラのレベルでもわからないの?いや、知らないけども…」

「そんなのだったら、とっくに言ってるわよ!宝石魔法は探知魔法なの?」

「いえ、それは違いますよ、アイラ様。この探知は宝石魔法の一部でございますから」

「すごいじゃないか、ビジュ!」

すると、フレイが対抗心を燃やしてきたのか勢いで言った。

『じゃあ、まず俺の魔法で倒してやるよ!主人!行ってくる!!』

勢いでゴブリンがいる方向に向かっていた。

すると、その先で燃えているのがわかる。

俺が見ないとわからないだろう…。

まぁ、いい。

次は、ビジュの宝石魔法を見せてもらうことにしよう。




すると、燃えているのが収まりフレイもこちらに戻って来た。

『どうだった、主人!!すごかっただろう!?』

胸を張ってフレイは俺に自慢をしつつもビジュに対抗心を完全に燃やしていた。

まぁ、流石にビジュは大人の対応をするだろうと思った矢先だった。

「いいでしょう!売られた喧嘩は買いますので!ケンジ様、次は私が倒して参りましょう!」

えぇ…?そこで対抗心燃やしちゃうの?

すると、アイラは他人事のようにケラケラと笑っている。

止めてくれよ…。



そして、またビジュが5体いることを俺たち知らせる。

「では、ケンジ様。行って参りますね」

そして、素早く俺たちの前から消え、いつの間にかゴブリン達の目の前までいた。

「「え??」」

そして、ビジュの周りに無数の水の槍ができ、ゴブリン5体全部に刺さった。

俺とアイラはその様子を見て、呆然とし固まる。

「「え…?」」

と、一緒に呟いたのだった。




そして、軽やかなステップでこちらに帰って来たビジュ。

「ケンジ様、ゴブリン5体を倒して参りました。如何でしたか?」

「いやいや、宝石魔法って万能なの?」

「いえ、私が扱う宝石魔法とは、各属性の宝石をこの手の甲にあるところにはめることによって魔法を発動させるのです。しかし、今はまだスキルレベルが低いので基本4属性しか扱うことはできませんが、上がれば上がるほど威力は増しますし、魔法の数も増えていくものだと思いました」

いや、それ思いっきりチートじゃないか…。

「しかし、それほど長所ばかりというわけにもいかないのです。欠点としては、やはり魔力を大量消費しますので、あんまり大きい魔法を打つことはできないのです」

「それは欠点だけれども…それでも十分強いぞ」

「私は、ケンジ様のお役に立てればいいので、頑張りますね」

「あぁ…俺はテイマーだから戦う術はないから頼むよ、ビジュ、フレイ」

「はい!」

『おう!』

すると、アイラが突っ込んでくる。

「いや、ケンジ。貴方も例外よ…」

聞こえない聞こえない。



そして、残り2体も見つかった。

めちゃくちゃ偶然だなぁ…。

すると、アイラが戦うと言ってきた。

「ここで、Aランク冒険者の私の実力も見せておかないとね!」

「アイラは主に何を使うんだ?」

「そうね…私隠密が得意だから短剣ね」

「短剣か…俺らもそれを作ってみるもいいな、フレイ」

『そうだな、主人!俺も短剣とか作れるようになりたいからな!』

「あぁ…フレイは鍛治ができるものね。できたら見せて欲しいわ」

『おう!アイラも待っててくれ!』

そういうと、アイラはにこやかに笑い、一瞬で気配がなくなった。

「え?どこ行ったんだ?」

すると、その刹那、ゴブリンの呻き声が聞こえる。

「え?」

なんと、ゴブリン2体がすでに倒れており、その前にはアイラがいたのだ。

あまりにも早すぎて見えなかった。

「どうだったかしら、ケンジ?」

「アイラ…これはさすがAランク冒険者としか言えないぞ…」

こうして、俺は何もすることなくゴブリン討伐は終わった。

え?これでいいのかって?

そんなん…俺も知らん。

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