第2話情報屋ですね

視界が開けると、そこは街だった。

攻略サイトにもあった通り、始まりの街だ。

もうすでに、色々なプレイヤーがいるなぁ。

さて、まずはもう一回ステータスを開いて、説明を聞こうかな。

「ステータスオープン」




ステータス

名前:ケンジ

職業:ユニークテイマー

レベル:1

体力:200

筋力:50

魔力:100

素早さ:20

器用:70

運:9999

スキル:テイム(ユニークモンスター) 召喚

スキルポイント:500

持ち物:魔物の卵3つ 10000ルーペ

称号:ユニークモンスターを操る者 幸運者



やっぱりおかしいよなぁ…運といいスキルポイントといい。

まぁ、スキルに振ってみるか。

全然、テイマーとかの記事見てなかったから、どんなスキルが取れるかなんてわからないぞ…



すると、この世界の中でピコンッという音が鳴った。

なんだ?

周りを見てみると、俺の方をみんな見ている。

ん?何かあったっけ?

俺は、ログを見てみる。

するとこう書かれていた。


《ケンジさんが『幸運者』の称号を手に入れました》

《ケンジさんが『ユニークモンスターを操る者』の称号を手に入れました》


というログがあった。

「え?なんで急に?」

周りがざわつき始める。

やばい、ソロプレイをするつもりなのに、こんなところで目立ってどうするんだよ!

やばいやばい、どうするべきだ。

まずは、逃げるべきか…!?

すると、一人のプレイヤーが近づいてくるのが見えた。

「ねぇ!ケンジさん?でいいのかな?少し話聞かせてもらってもいい?」

「え?えっと…え!?あ、目立ちたくない…んですけど…」

「目立ちたくない?あ、あぁ!ごめんなさい!怪しい者じゃないのよ!私、このゲームのβ版をプレイしていて、情報屋をやっている、アイカっていうの!目立ちたくないのなら、こっちに来て!」

アイカと名乗る彼女は慌てた様子で俺に弁明っぽい物をしてきた。

それをみると、悪い人じゃなさそうだ。

簡単に納得するのもアレだけど、目立ちたくないのでまずはこの子について行こう。

「わ、わかった。君に付いて行くよ」

一瞬で、スキルポイントの割り振りのことは忘れてしまっていた。




俺たちは、始まりの街の少し離れたところにいた。

「ごめんなさい。貴方のこと考えてなかったわ」

「いや、大丈夫だ。俺もパニックになっていたところだからな」

「じゃあ、改めましてアイカです。一応、情報屋としてこのゲーム内でやって行くつもりよ。職業はサーチャーよ」

「俺は、ケンジだ。職業はユニークテイマーだ」

「そう、それよ!私たちがやったβ版でもなくて、今回にもそんな職業はなかったわ!」

「俺もよくわからないんだ…なんか、スクロールしていたら急にこの職業が出てきたからな」

「そうなのね…でも、その情報は私も欲しいわ。金銭の取引をしましょう」

「え?でも、始まったばかりだし、お金はないんじゃ…?」

「そう思うでしょ?私たち、β版をプレイした人には、その時に稼いだお金を引き継ぐことができたの。だから、充分あるから心配しないで大丈夫よ」

「そうなのか…じゃあ他の情報を売ってもいいか?」

「えぇ!どんと来なさい!」

俺は、一つ一つ教えて行く。

運が9999であることや卵が三つあること。

それに、ユニークテイマーになることができたのは俺だけだということ。

その話をすると、アイカはとてつもなく驚いていた。

「嘘でしょ…!?そんなことありえるの!?これは、たくさんお情報料をあげないといけないわ。ギリ足りると思うけど…」

そんなに貰えるものか…もう誰もこの職業になれないというのに…

俺はその疑問を直接投げかけた。

「そう思うのも無理はないわ…だけど、これはとても重要よ!この職業があるということは、ユニークモンスターをテイムできるということだからね。普通のテイマーでもできるのか検証しないといけないけど、私的にはできると考えるわ」

「そ、そんな重要なのか…わかった、この情報を売るけど、実際どれぐらいになるんだ?」

このゲームでは1ルーペが日本円で一円という設定になっており、リアルマネーはこれに交換できないことになっている。

「そうね…一応ギルドの仲間と話し合わなきゃいけないとは思ったけど、大丈夫ね。200万ルーペ払うわ」

「200万…!?そ、そんなに貰ってもいいのか!?大丈夫なのか!?」

「それぐらい、この情報には価値があるわ。ありがとう。良ければ、フレ交換しないかしら?」

おいおい、マジか。

現実世界でもほぼ女性から声をかけられないのに、ゲームではいけるのか…

いや、キャラのグラフィックもあるか…

まぁ、ここはお言葉に甘えてフレ交換をしておくか。

「わかった、頼むよ」

「よし!これで、また新しい情報が入ったら教えてね!」

「あぁ!こっちも頼むよ!」

そして、無事に200万ルーペが振り込まれた音を確認してアイカと別れた。

ギルドのメンバーとあって、クランの場所を買うらしい。

俺も、ソロプレイをするけど家ぐらいは欲しいなぁ。

まぁ、さっきまで中断していたスキルポイントのところからやるか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る