第6話 アリスの友達




視点{アリス}




翌日

フィルちゃんをカリムちゃんに紹介するためにフィルちゃんを

カリムちゃんの秘密基地に連れてきた

ここに連れてきたのはカリムちゃんが人がいないところがいいって言ったから


「アリス、どこまでいくの?」

「もうちょっと、あっいた!カリムちゃん!」


私は大きく手を振った

カリムちゃんもこっちに気づいたみたいで

こっちに向かって手を振った


「カリムだ、よろしく」

「あ、フィルよ」


カリムちゃんとフィルちゃんが握手した


「時々あなたの話がアリスから出てくるからどんな人なのか気になっていたのよ

こういう話す機会を作ってくれてうれしいわ」


「そうかありがとう」




視点{カリム}




ずいぶん大人びた子だなぁ

整った顔、灰色の瞳、さらさらの金髪ロングヘア―

でも背はアリスより小さい


「アーリス♪」ギュ


フィルがアリスを後ろから抱きしめる


「フィルちゃん苦しいよ」

「あははごめんごめん」


アリスととても仲がよさそうだ

だが俺の中の女性恐怖症は根強く残っており

どうも奥歯に何か挟まっているかのような感覚を受けてしまう

アリスの時は違和感は全くなかったのに

この子にはどうも違和感を覚えてしまう。


でも少し話してみよう

最初から人を見た目で判断してはいけない

自衛隊で学んだことだ


「ところでお菓子は好きか?」


「えぇ好きよ、アリスがたまにクッキーを持ってきてくれるから

とても楽しみにしてるの」


「そうなのか、アリスとはいつから仲良くなったんだ?」


「私、この教会に捨てられていたの

それで教会に拾われて育てられたんだけど

人見知りで同年代の子もいなかったから友達は一人も作れなかったの

そんな時、アリスがこの教会にやってきて

一人ぼっちの私に声をかけてくれたの、

それで同じ部屋に住むことになって少しずつ友達になっていったのよ

私はアリスのこと「家族」と思っているわ」


「フィルちゃん、ちょっと恥ずかしいよ」


「恥ずかしくないわ、むしろ胸を張って言えることだわ

人見知りも今はほとんどしなくなったし」


とても人見知りだったとは思えないほど堂々として話をするフィルに

俺の直感がこの子なら信頼できると言っている

威圧的じゃないし自己意識も高くない

前世で出会った女性とは違う気がする


「そうか、ケーキっていうお菓子を食べたことはあるか?」


「いえ、何それお菓子なの?」


「あぁ昨日アリスといっしょに作ってみたんだ」


「カリムちゃん、フィルちゃんにも作ってあげたいんだけど・・・・」


「あぁいいよ」


「やった!フィルちゃんにケーキを食べさせてあげるね」


「え?本当に!お姉ちゃんうれしいよ!」


またアリスに抱き着くフィル・・・ん?おねえちゃん?


「あれ?フィルは年下じゃないのか?」


「苦しいよフィルちゃん、違うよ1ヶ月年上なんだ」


「よしよしいい子いい子」


アリスの頭を撫でるフィル


「だからお姉ちゃんか・・・」


・・・・ぷくく、どう見ても逆じゃないか?


「む、なに笑いを堪えてるのかな?」


「いや、ソンナコトナイデスヨ」


「口調が変になってるよ!カリム君の誕生日はいつなの?」


「アリスより2ヶ月後だが・・・・ぷくく」


「カリム君の方が年下じゃない!」


「ぷくく、ごめん」


「なんで笑っているの!うぅ・・・私の方がお姉ちゃんなんだからぁ!」

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