第2話 不思議な女の子
視点{カリム}
「うお!?」
俺は驚いた
理由は後ろからいきなり声がしたからだ
声の主は整った顔、青い瞳、銀髪セミロングの小さな女の子だった
「何しているの?」
女の子が訪ねてくる
「別に何もしてない」
俺は設計図を無意識に隠した
「なに隠してるの?」
「何も隠してない」
「ふーん・・・・えい!」
「!?」
設計図をふとした隙にとられてしまった
視点{女の子}
カリムちゃんが持っていた紙を見ると
まぁるい円と長細い箱?みたいな図形と変な数字がたくさん並んでいる紙だった
「なにこれ?」
「な、なんでもない」
カリムちゃんが紙を取り上げようとしたから、私はひらりとそれを避けた
くすす♪カリムちゃんは私より運動が苦手みたい♪
「正直に教えてくれたら返してあげる」
「本当になんでもないったら」
カリムちゃんが紙に手が伸びないように私はひらひらとかわす
・・・・・・・楽しい
「この丸はなぁに?」
「・・・・落書き」
「うそ」
「ほ、本当だ!」
「絶対にうそだよ!目ぇそらすんだもん!」
「うぅ・・・・」
「人の目を見て話さないとそれは嘘をついているって教会の人が言ってたよ」
カリムちゃんは少し黙って
「やっぱりやだ」
「じゃあ返してあーげないっ!先生にみせて聞いてみるもん」
「そ、それは困る!」
「じゃあ教えてよ」
「くそ、わかったよ」
くすす♪
視点{カリム}
話すとしてもどうやれば・・・・
俺はしばし考え
「道を走る機械だ」
「道を走る?・・・あはは!何言ってるの?そんなことできるわけないよ」
「だから、嫌だったんだ」
「だってこれおうまさんがついてないよ?」
「はいはいこの話はお終い、返してくれ」
「ごめんごめんちゃんと聞くから怒らないでよ、どうやってこれ走るの?」
「教えるのめんどくさい」
「えぇ!なんでなんで!」
今だ!
「きゃ!」
俺は設計図を取り返した
「じゃあおやすみ」
「も、もうちょっとお話しようよ、ね?」
「嫌だ、邪魔、どっか行け以上だ」
「むぅ・・・じゃあここにいてもいい?」
「・・・・・・別に邪魔をしなければいいけどさ」
何考えてるんだ?
半分冗談かと思ったが、寝室から女の子は自分の毛布と枕を持ってきて寝てしまっていた。
ちょっと気になったが、すぐに心情が正常に戻り俺は作業を進めた
あれ?女性恐怖症気味だったのにこの子には拒絶反応がなかったな・・・
普通に話ができた、いつも女がいるとそれだけで吐き気が来るはずなんだが・・・・・まっいいか別に
そして翌夜も女の子がおやすみセットを持ってきた、俺の作業を寝ながら見てる
視点{女の子}
いつものように枕と毛布を持ちながら明かりが漏れている教室へ向かって歩いて
まるでそこに吸い寄せられるように枕を置き体を横たえて毛布をかける
「お前、名前は?」
急に声をかけられた
「え?」
私は驚いた
カリムちゃんは、いつも大人しく本を読んでいてこんなふうにお話しすることが今までなかったから・・・だから思わず「え」という言葉しか出てこなかった
「え?ってなんだよ」
「えっごめん」
「だから「えっ」てなんだよ、適当に答えているのか?」
「違う、違うよ!!」
「おい声が大きい、先生に見つかる」
コツ・・・・・・・コツ
その時足音のようなものが近づいてきた
「ごむ~~~!!」
私はカリムちゃんに口を塞がれた
「なにか話し声がしたと思ったんだけど、気のせいかしら?」
足音が去っていった。
「ぷはぁぁぁ」
「気を付けろ、馬鹿」
「ご、ごめん」
カリムちゃんは「気を付けろ」っていうと
せっけいず?の作業に戻っちゃった
視点{カリム}
「アリス」
「は?」
「私の名前だよ、アリス・ニル」
「アリスか・・・・・」
「もしかしてカリムちゃん私の名前知らなかったの?」
「あぁそうだが」
「ひどい!私はカリムちゃんの名前知ってたのに!」
「別にいいだろそのくらい」
「とっても重要なことだよ!」
「はいはいそうですか」
名前なんて聞くんじゃなかった、めんどくさくなりそうだ
俺はすぐに設計図の作成に戻った
アリスっていうのか・・・・・
すぐそばにいるのに嫌悪感がなく、なんとも思わない不思議な女の子
第一印象はそんな感じだった。
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