第1話 異世界の孤児院の子供に転生




視点{カリム}





「――――――」

「-」

「――――」


話し声なのか?・・・・・話し声が聞こえる


「―――」

「―――ちゃん」

「カリムちゃん」


目の前におばさんの顔がある、カリムちゃん?誰の事だ?

体を捩ると鏡が見えた


「カリムちゃん・・・・・・・俺がカリムちゃん!?」


鏡がみせてくれたのは、まだ生まれて間もない男の赤ん坊だった。

そしてもう一つの声が聞こえる。

女性の綺麗なその声が頭の中に話しかけてきた。


「あなたは女性を大きく勘違いをしてしまっています

これからある世界へ転生して差し上げましょう

そこでもう一度、綺麗な心で女性を見てみるのです

きっと何かを見つけることでしょう」


気が付くと赤ん坊の姿でおばさんに抱かれていた

転生?女性?吐き気が来る大嘘だと思ったが半年、1年、3年もたつと

転生したのだと考えるのが正しく思えてきた。


しかし綺麗な心など持っているはずもなく

女性に関しても接触する嫌いな気持ちはそのまま残っていた

どうせ転生するならすべて削除してから転生させてくれればいいのにと俺は思った。


俺は周囲を確認してみる、どうやらここは貧しくもなんとかやっている古い教会のようだ。

親がいないこと教会にいることを考えると、俺は捨てられたんだろう。

本を読んでみたいが赤ん坊が読めるわけでもなく本をみつめるだけだった。

月日が経って6歳になり文字が読めるようになると、この時代にことがわかるようになる。


まず俺の名前はカリム・レッド

この世界は大きなひとつの大陸に二つの国が存在する

ひとつは「アルダ国」もう一つは「パルス国」と呼ばれていた

ちなみにここはパルス国郊外である。


国境には大陸を縦断するように流れている「ルカ川」が流れている。

アルダ国はジンプという神を崇めており、対してパルス国はコイミという神を崇めていた、この崇める神の違うことであちこちで衝突があり、いつ戦争が起こってもおかしくないという。


機械類などは一切なく荷物を運ぶのも馬にひかせる馬車というふうになんか前世界の中世時代のヨーロッパをそのままにしたような感じだ。

違うことといえば魔法というものがあり

モンスターを倒す冒険者という職業もあるということである


なら自分にも魔法が使えるのではないかとワクワクしていた。

だが、6才のとき健康診断のような魔法診断を受けて、結果を聞くと自分には魔力はほとんどなく、魔法攻撃などは一切できないとのことだった。


だが、普通の魔導士にはできないことができるというのだ。

それは「物質分離」と言われた。


物質分離とは例えば1つの鉱物がある

この鉱物には「鉄」や「ボーキサイト」「マグネシウム」などが含まれている

その1つ1つの物質を分離させ鉄、アルミニウム、マグネシウムというふうに

それぞれ分離し成形することができるというのだ

つまり、原子レベルでの物質分離能力というわけだ。


ただし魔力容量が少ないため1日にわずか10kg程度しか分離できないと言われた

しかもダイヤモンドやルビーなどの宝石類

または金にはこの魔法は使えないことが分かった。


つまりこの魔法で大金は稼げないってことだ

ちょっと期待してだけにショックを受けたが、1つの面白い希望を持てた。

その希望とはこの能力を使い武器を作り冒険者として活躍するというものだった。


銃から戦闘兵器まで作れるということだ

前世であらゆる兵器の内部構造を理解していたので問題なく作れるはずだ

そう思うとまたワクワクしてきた。


まず何を作ってみようか・・・・・・・・

移動手段をなんとかしたいと思った

馬車か徒歩の移動では時間がかかりすぎる・・・・車がほしいな

だが普通の車の勉強なんてしたことないぞ?

あっでも・・・・・・勉強していた中に確か軍用車両の「ハンヴィー」あったな

頭の中で簡単に設計図を描いてみる


エンジン内構造やトランスミッションには手をやきそうだがなんとなく作れそうだ

とりあえず設計図を作ってみよう

しかし6才の俺が設計図など書いてたら浮いてしまう、俺は目立つのは嫌だった

目立つといじめられたり陰湿なことをされたことを思い出す。


出る杭は打たれるというやつだ

みんなが寝た深夜に教室へ向かいランタンに火を灯し設計図を書くことにした。





視点{女の子}





「おばけ・・・でませんように」


わたしは、くらいろう下を1人で歩いてた


「うぅ・・・・・ねる前におしっこ行っとけばよかったぁ・・・・・・・あれ?」


きょうしつから明かり?


「お、おばけ?・・・・でも明かりをつけるおばけなんているのかな?」


そう思いながら光に近づいてくとドアの間から、カリムちゃんがランタンに火をともして何かを一生懸命書いてた。

それがとても不思議に思ったのかわからなかったけど・・・・

私はカリムちゃんとお話したくなって後ろから


「ねぇ」


って声をかけた。

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