第23話 ◇Long Kiss キス

23.

◇Long Kiss キス


「それは嘘だな。

100人が見たら100人ともが俺の子だろっていうくらい俺のミニチュア

じゃん。俺の子だよ、その子。間違いなく。

ここまで似てなければ、俺も君の言葉にまんまと騙されたかもしれないが」



「でも、この子の父親は……認知してるのは、てっちゃんなの」



「そんなこと、どうでもいいよ。俺の血をひいたまぎれもない

俺の子だよ。DNA鑑定すりゃあすぐ分かるだろ? 」



 俯いてオロオロしている景子に俺は近付き、想いの丈を込め抱きしめて

キスをした。


 それは、長いながいキスだった。


 息子が俺の脚を蹴りやがる。

 景子を苛めてるって思ってんのかぁ?



「ナニ……何するの?  信じらんない」



「景子、俺とやり直そう」


「あなたには、さとみさんがいるじゃない」


「いないよ。君がいなくなった頃に彼女とは別れてる。

 俺は心底反省してる。

 君が俺から離れていくなんて露ほども思ってなくて……君を失ってから

 自分の胸の奥底にある本当の気持ちに気付いた。

 この先も一緒に人生を歩んでいきたいのは君しかいないってことにね。


 それから、仕返しというわけでもなかったが、さとみさんと君と、

同時進行で付き合ったこともすまないことをしたと反省してる。

 ほんとにすまなかった。


 とにかく、諸々片付けないといけないことが、ありそうだが

俺と一緒に暮らそう。

 このまま当分の衣類や当座必要なものをカバンに詰めて、

俺と俺たちの家に帰ろう」



 

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