第21話 Goodbye Happiness

21.

" Visit 訪問 2 "



 「すまない、もう景子のことは忘れてくれないだろうか。

ほんとに馬鹿な娘が君に散々迷惑をかけて申し訳ない。

この通りだ」


 と、景子の父親は俺の目の前で頭を下げてきた。


 俺は何をしに来たのだろう。ただ何かをしないと、と・・いても

たってもいられず、景子の実家を突撃したのだが。


 どうして頑なに彼らは景子の現状を語らないのだ?


       ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


 育が景子とやり直しても、という気持ちでいることを

周りは知らないので、子供ができたという新しい火だねを大きく

するのを彼らは恐れてのことで、景子の行方を育に教えようと

しないことは致し方のないことだった。


        ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


 なんとなく、その場の雰囲気と謝罪等で育も彼らの意図が

だんだん分かってきて・・。


 このまま彼らに本当に伝えたいことを届けられずに終わっても

いいのか?


 当の本人にはまだ伝えていないこと・・なので、躊躇したものの

育は腹を決めた。


 そして・・


 「お義父さん、お義母さん、僕は景子さんとやり直したいと

思ってます」


と、正式に育は今後の方針を伝えた。


 驚きつつ、彼らが喜んでくれたことはいわずもがなのことだった。


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