第20話 Goodbye Happiness

20.

" Visit 訪問 1 "


この荒れ狂う気持ちの宥め方も見いだせないまま、俺は

本能の赴くまま、義両親の元を2年ぶりに訪ねた。



 アポ無しの訪問に元義両親は、俺のことを幽霊でも見るような

様子でものすごく驚いた。



 「突然の訪問で失礼します。少しお話させていただいても

よろしいでしょうか」



 俺は応接間に通された。



 「あれから僕は連絡をずっと待っていました」



 「「・・・」」



 「もう景子さんはこちらに戻って来られてますよね?」


 俺の質問にふたりは顔を見合わせた。


 「えと・・アノ・・」


 「僕は知ってるんですよ、景子さんがこちらのすぐ近所で

暮らしてること」



 「えっ? あーあのっ、、そっそうなの。私ったら育くんに連絡も

しないでごめんなさい」



 ひたすら謝るばかりで、お義母さんは今景子がどんなふうな

暮らしぶりなのか、肝心なことは話してくれない。お義父さんも口を

固く閉じ、今にもこの部屋から出て行きたそうにしている。



 「景子さんは今もおひとりですか? それともどなたかと・・? 」



 「あなた・・」


 お義母さんは隣に座るお義父さんに助けを求めた。


 このふたりの煮え切らない態度を見ていて、やっぱり景子は

あの時の男と結婚したのか、はたまた婚約者くらいの位置づけなのか

その辺の何かしらの関わりのある人物なのかもしれないと思った。


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