第19話 Goodbye Happiness
19.
" Anger 怒り "
景子が俺の前から姿を消した頃のことが、ブワーっと脳裏に
次から次へと津波のように押し寄せてきて、俺はその晩
一睡もできなかった。
あの頃、俺はこう思った。
さとみさんとの関係をもう少し早い時期に止めていたら・・
景子は当初必死で言ってた通り、ずっと俺の世話を焼く為
家に通い続けていたんじゃないかと。
それにしてもあれだけ復縁の為に頑張ると言っていたのに
1年ももたなかったのだから、景子の俺に対する気持ちなんて
それだけのモノだったのだな・・とか。
景子の失踪で一番驚いたのは、自分の気持ちの変化だった。
景子の意志に反していたとはいえ、他の男に抱かれた女など
相手の態度次第でいつでも捨ててやる、と息巻いていたはずの
俺が当時あんなにも喪失感に苛まれるとは・・思いもかけない
ことだった。
そしてようやくその喪失感とも上手く付き合えるようになった
今頃になって、その原因となる張本人を見つけてしまうとは。
俺の息子を連れていた景子。
なんでなんだ!
当時の比ではないほど俺の心は荒れ狂っていて、自分の手には
追えないほど、激しい怒りと悲しみに襲われた。
どーして、俺ばかり苦しめられるんだ。
どーして俺を支えると言ってたお前が、俺をこんなにも苦しめるんだ。
チクショー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます