第18話 Goodbye Happiness

18.

" Don’t be silly! っざけんなっ! "


  「ふざけんなっ!」


 育の口から思わず出た言葉。

 

 当時のことが脳裏に蘇る・・・。



 「景子は・・景子さんはどうかされたんでしょうか? ずっと家に

通って来ると言ってたのに、ここ1か月来てないのですが。

 体調でも悪いのでしょうか?」



 「育さん、連絡もせず通うのを止めたみたいで、ごめんなさいね。

景子もあれから思うところがあったようで、それで育さんのところへ

行くのも止めてしまったんだと思うの。しばらく他所の地で心機一転

やり直すと言って出て行ってからまだ家にも連絡が来てなくて・・」


 「そうですか、じゃあ連絡がありましたら僕の方に一度連絡を

入れるよう、お伝え願います」



 「ええ、必ず」



 それなのにあれから彼らは俺に、ただの一度も連絡を

寄こさなかったのだ。


 妊婦の娘のフォローにさぞかし忙しかったことだろう。


 子供の認知などもしないであの子を父無し子(ててなしご)に

するつもりか?


 俺には景子の考えも、元義両親の考えも読めなかった。


 あのふたりの側にいた男がその辺の理由を・・鍵を・・

握っているのかもしれない・・と思った。



 

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